自分の名前と誇りを胸に生きていく

「彼の両親からしてみれば、そんな世間知らずな女性と、これ以上一緒にいるなということだったのでしょう。

　彼は、これまで良好だった両親との関係に悩み、苦しんでいました。それに耐えられなくなったのは、私のほうでした。彼の家族関係が悪くなることも、彼が悲しむのも見ていられなくなってしまい、最後は私のほうから同棲も解消しました」

　別姓離婚の後に、同棲まで解消してしまい、楢橋さんたちは本当の意味で「離婚」したことになります。

「彼のことは今でも大好きです。悪かったのはこの日本の結婚制度だと思います。2人で住んだ思い出のある家を出てきて、今、私は一人で海外に行くつもりです」

　戸籍上で夫婦が別の名字を名乗る場合、日本では結婚をしない選択しかありません。その問題に悲しみや憤りを感じている女性も少なからずいます。あなたなら、自分が愛する彼女が夫婦別姓を望む時、どうしますか？

― 特集・AK男子・AK女子の言い分 ―

＜取材・文／ミクニシオリ　イラスト／小池祐子（@ikeko322）＞