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農家を襲う“酷暑”。在来野菜を未来につなぐ「SOLAMENT®」と食の取り組み

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気候変動や担い手不足などを背景に、地域で受け継がれてきた「在来野菜」の栽培・継承が難しくなっている。なかでも、生産現場で大きな課題となっているのが夏の酷暑だ。

住友金属鉱山は、近赤外線を吸収する遮熱素材「SOLAMENT®(ソラメント)」を活用し、在来野菜の栽培を支援している。一方で、在来野菜を未来へ残すには、栽培環境を整えるだけでなく、存在を知り、実際に食べてもらうところまでつなぐことも欠かせない。

2026年8月には、その取り組みの一環として、東京・下北沢のBONUS TRACKで「絶滅危惧野菜ガーデン」を開催。酷暑下での栽培の現状や、在来野菜を次世代へつなぐための取り組みについて3名が語った。

地域で受け継がれてきた「在来野菜」が消えつつある理由

日本各地には、それぞれの地域に根ざした「在来野菜」がある。在来野菜の流通や販売などに取り組む『warmerwarmer』の高橋一也さんによると、地域の人たちが代々種をつなぎながら受け継いできた野菜だという。

一方で、在来野菜を次の世代へ受け継いでいくことは、簡単ではなくなっている。高橋さんによると、背景には大きく「環境」「技術」「コスト」の3つの問題があるという。なかでも近年、安定した栽培を難しくしている要因の一つが、気候の変化だ。

気候変動や温暖化によって作柄や収量に影響が出るなか、生産者はそれぞれの土地で試行錯誤を重ねている。都内で農業に勤しむ『繁昌農園』の繁昌知洋さんも、在来野菜は暑さの影響で発芽しなかったり、生育途中で枯れたりすることがあると話す。

さらに、在来野菜を取り巻く課題は気候だけではない。高橋さんは、種を受け継いできた生産者の高齢化も進んでいると指摘する。気候変動に加えて担い手の問題も重なるなか、在来野菜を栽培し、次の世代へ受け継いでいく環境が厳しくなっている。

涼しくなってからでは遅い。種まき1日の差が収穫を左右する

「近ごろ夏が暑くなりすぎて、夏野菜のトマトやナス、ピーマンが作れなくなってきている」

繁昌さんは約10年にわたり農業に携わるなかで、特にここ数年、夏の気温が高くなっていると感じているという。

また、その影響は秋冬に収穫する野菜にまで及ぶという。それらの収穫に向けて、従来は暑さが落ち着いてから種まきを行っていたが、長引く残暑のなかでの作業が行われている。繁昌さんによると、夏至を過ぎてからは種まきが1日遅れるだけで、収穫が5日から1週間ほど後ろ倒しになる場合もあるという。

その収穫時期のずれはいずれも収益にも影響するため、暑さによって栽培が難しくなっていても、適期を逃さず種をまく必要があるのだそう。

その負担は、作物だけでなく農家自身にも及ぶ。30代の繁昌さんも、「夏場の農作業では、暑さが1〜2週間続くと体力を消耗する」と話す。高齢の生産者にとっては、熱中症のリスクも高まるという。

酷暑下の育苗をどう支える? SOLAMENTを使った農家が感じた変化

酷暑のなかでも種まきの時期を遅らせることはできない。育苗期の暑さ対策として繁昌さんが活用しているのが、「SOLAMENT®(ソラメント)」だ。

SOLAMENTは、太陽光のうち光合成に必要な可視光線を通しながら、熱のもととなる近赤外線を吸収する特徴を持つ。開発元である『住友金属鉱山株式会社(以下、住友金属鉱山)』では、SOLAMENTを農業分野にも展開している。石橋さんによると、農業用ネットとして使用することで、ハウス内の気温だけでなく、作物が育つ地面の温度を下げることにもつながるという。

繁昌農園ではSOLAMENTを使った資材で野菜の苗を覆い、育苗に活用している。繁昌さんによると、SOLAMENTを使った資材を使用したところ、萎れや葉焼けが見られなくなったという。発芽についても「非常に発芽率が良くなった」と話した。

作れるだけでは残らない。在来野菜に必要な仕組み

在来野菜を次世代へつなぐには、SOLAMENTを活用して栽培環境を支えるだけでなく、収穫した野菜が流通していくことも重要だ。住友金属鉱山の石橋佳祐さんは、「栽培の環境だけではなく、実際に作ったものがしっかり流通していくということが大切」と話す。

流通を続けていくには、消費者に在来野菜を知ってもらう必要がある。在来野菜そのものが認知されなければ、生産や流通を続けていくことも難しい。

そのことから、住友金属鉱山では栽培支援に加え、在来野菜を知って食べてもらうための取り組みも進めている。これまでに、10以上の在来野菜農家へのSOLAMENT資材の提供や美術館でのポップアップ販売、農業高校での教育プログラムなどを実施してきた。

2026年8月に開催された「絶滅危惧野菜ガーデン」も、その一つだ。会場では、宮崎県の佐土原なすや鳥取県の三宝甘長とうがらし、山形県のおかひじきなど、各地で受け継がれてきた野菜を使い、期間限定のコラボメニューを提供。SOLAMENTの遮熱ネットを使ったミニハウスでは、野菜の収穫体験も行われた。

在来野菜を知り、食べる機会を増やしていくためには、さまざまな立場の人との連携も欠かせない。石橋さんは「素材を提供する企業だけで取り組みを進めるのは難しく、素材を使う人や流通を担う人、プロジェクトを支援する人などとの協力が必要だ」と説明する。

高橋さんは、在来野菜の継承についてこう語る。

「私たちは伝統を守るだけではなく、いかにこの伝統を生かすかというところに取り組んでいます。テクノロジーや技術を使いながら、私たちや先人が守ってきたものを後世に受け継ぐことは非常に大事だと思っています」


文:石田千尋
取材・写真・編集:土田洋祐

人物インタビューを中心に、企業で働く人や挑戦を続ける人への取材・執筆を行っています。一人ひとりの経験や価値観、その人らしい言葉を引き出し、読者が一歩を踏み出すきっかけとなる記事づくりを心がけています。

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