「売る」から「つながる」へ──LINE特化型EC「Atouchストア」が変える顧客接点

実店舗はじめ、ECサイト、SNS、そしてAIサービスの広がりにより、顧客接点が多様化する現在。従来の広告とマーケティングによる集客戦略では、売上やLTVにつなげるのが難しくなっている。新規・継続の顧客の獲得競争が激化するなか、いま注目されているのが、2026年5月にリリースされたLINE特化型EC構築サービス『Atouchストア』だ。
2026年7月6日(月)に開催された「Atouch Commerce Conference 2026」では、資生堂ジャパンやオイシックス・ラ・大地、ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)などの担当者が登壇。顧客と企業の関係づくりをテーマに、変化する市場環境や顧客接点のあり方、そしてAtouchストアがもたらす可能性について議論が交わされた。
LINEで購買体験を完結する「Atouchストア」

(PR TIMES : IRIS データラボ株式会社)
Atouchストアは、『IRIS データラボ株式会社』が提供するLINE特化型EC構築サービスだ。企業はLINE公式アカウントとLINEミニアプリを活用し、商品一覧の閲覧から情報発信、問い合わせ対応、購入、購入後のフォローまでをLINEの中で一気通貫に提供できる。
情報発信などは従来の公式アカウントにて実施されていたが、主に購入の段階で外部サイトへの遷移を挟むのが一般的だった。しかし、商品購入のたびに外部サイトへ移動する導線は、タイムパフォーマンスが重視される時代において大きなストレスとなる。また、別途サイトへでのログイン・会員登録などが必要になるケースもあり、カゴ落ち(商品を買い物カゴに入れたまま購入を行わないで離脱)など、購買プロセスまでの弊害となっていた。

(PR TIMES : IRIS データラボ株式会社)
Atouchストアでは、LINEアカウントを認証基盤として活用することで、IDやパスワード入力の手間を削減。購入までの導線を短縮し、スムーズな購買体験を実現している。さらに、ユーザーの購買履歴や行動データを活用した情報配信や顧客管理にも対応しており、単発の購入で終わらない継続的なコミュニケーションを支援。企業と顧客の接点を維持しながら、関係性を深めていくためのプラットフォームとしても利用可能だ。
LINEを「ブランド体験の場」に変える可能性
もっとも、Atouchストアの価値は単に購入までの導線を短縮することだけではない。企業が注目しているのは、その先にある「継続的な関係構築」だ。
商品やサービスの選択肢が増えた現在、企業にとって課題となっているのは「購入してもらうこと」ではなく、「再び選んでもらうこと」である。一度購入した顧客が、その後も継続的に利用してくれるとは限らない。価格や利便性だけで競争することも年々難しくなっている。そのことから、多くの企業は顧客との接点を単なる販促の場ではなく、関係性を築く場を必要とする傾向が高まっている。

資生堂ジャパン DX統括部 部長 小椋一平 氏
カンファレンスに登壇した、資生堂ジャパン DX統括部 部長 小椋一平 氏はこのように話す。「持続的な成長をしていくためには、一時的だけではない継続的な顧客獲得、つまり、ファンを作っていくことが重要です。しかし、顧客接点の場が多様化し、情報が飽和する現在の市場において、従来のようにモールや広告の力をお借りするだけでは、継続的な関係を築くことが難しくなっているように感じています」
当然、各企業が自社アプリやオウンドメディアなど独自のチャネル構築にも取り組んでいる。しかし、その構築・運用には多大なコストがかかるうえ、ユーザーにダウンロードや利用を促し続ける必要がある。顧客との接点を自社で保有できるメリットは大きいものの、そこへたどり着くまでのハードルは決して低くない。
自社の商品・サービスの魅力をどのように広く、深く、そして効率よく伝えていくか。そうした課題の中でLINE内で発信、訴求、購入を行えるAtouchという業態は、一つの解決策として期待されている。
2011年にローンチされて以降、スマホの普及ともにユーザー数を増やしてきたLINEは、現在では月間利用者数約1億人を抱える巨大な市場として成熟した。また、「友だち」機能により、広告のように一度きりの接触ではなく、企業は自社に関心を持つユーザーと継続的な接点を持つことができ、そこにダイレクトに商品やサービスの情報発信を行える独自のプラットフォームだ。
そうしたLINEの特性を活用しながら、課題だったユーザー体験を向上させたAtouchストアは、コマースとしての利便性と顧客との継続的な関係構築を両立させたサービスと言えるだろう。

IRIS データラボ株式会社 代表取締役 安達教顕 氏
IRIS データラボ株式会社 代表取締役 安達教顕 氏は、LINEを単なる情報発信の場ではなく、「ブランド体験を育てる場所」として活用することが重要だと考えている。顧客との接点を売って終わりの関係ではなく、継続的なコミュニケーションの場へと発展させる――。Atouchストアには、そうした新たな顧客体験を実現するプラットフォームとしての期待が寄せられている。
LINE Agent i が広げるLINEコマースの可能性

(PR TIMES:LINEヤフー株式会社)
LINEを運営する『LINEヤフー』では現在、AIを活用した新たなコミュニケーション機能の提供も進めている。2026年4月から提供開始されたユーザー向けの「Agent i」は、長期的な記録に基づき、質問の回答だけでなく、予約や購買支援などのタスク実行も行う。
さらに、企業向けの「Agent i for Business」の展開も見込む。顧客データや購買履歴、商品情報などを活用しながら、顧客対応やカスタマーサポートをAIが支援するほか、CRM分析や配信施策の立案・運用などもサポート。これまで担当者の経験や勘に依存していた業務の効率化だけでなく、一人ひとりの顧客に合わせたコミュニケーションの実現も目指している。
同社 経営企画・事業開発SBU事業開発ユニットエンタメ事業開発ディビジョン プランニングディレクター 依馬裕也 氏によれば、「本実装によってLINEコマースの可能性はさらに広がる」と話す。

LINEヤフー 経営企画・事業開発SBU事業開発ユニットエンタメ事業開発ディビジョン プランニングディレクター 依馬裕也 氏
「これまでは企業が情報を届け、ユーザーが受け取るという一方向のコミュニケーションが中心でした。しかし、AIエージェントの実装によって、ユーザー一人ひとりの状況やニーズに応じた提案やサポートが可能になります。LINEでの体験そのものがよりパーソナライズされることで、ユーザーと企業それぞれにメリットと利便性のあるものにしていきたいと思います」
LINE×Atouchストアの登場によって、企業の顧客戦略は今後さらに変化していくだろう。AIエージェントの実装も進み、企業と顧客のコミュニケーションのあり方は大きな転換期を迎えつつある。
しかし、その一方で商品やサービスの魅力を伝えるための努力や工夫といったマーケティングの本質が変わったわけではない。また、広告やECモールが持つ認知拡大の力も依然として大きく、すべてがLINEへ置き換わるわけでもない。
重要なのは、どのチャネルが優れているかではなく、商品特性やターゲット、顧客との関係性に応じて最適な手段を選択することだろう。Atouchストアは、その選択肢の一つとして、企業と顧客をつなぐ新たな接点を提示している。
文・写真:土田洋祐
引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000166.000098400.html
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001698.000129774.html