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トロフィー制作に150万円、海外遠征でトラブルも…ZETA DIVISIONが明かすeスポーツの舞台裏

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左から、株式会社バンタン 執行役員 佐藤裕則さん、GANYMEDE株式会社 執行役員・事業開発部部長 千葉哲郎さん、ZETA DIVISION GAMING ACADEMY 特別顧問 crowさん、T1 Esports Academy事業リード Chiefさん、戦略成長担当 JINさん

華やかな大会や人気選手に注目が集まりがちなeスポーツ。しかし、その舞台裏では、イベント制作やマネジメント、コーチ、配信など、さまざまな仕事を担う人たちが現場を支えている。

2026年9月17日、東京ゲームショウ2026のZETA DIVISIONステージで「ZETA DIVISION GAMING ACADEMY Presents eスポーツ しくじり事件簿」が行われた。イベントでは制作費や海外遠征をめぐる失敗談を通じ、eスポーツの舞台裏を支えるさまざまな仕事が紹介された。

終盤には、ZETA DIVISIONを運営するGANYMEDE株式会社(以下、GANYMEDE)、株式会社バンタン(以下、バンタン)、T1 Esports Academyの3社が、eスポーツ人材の育成領域における事業連携の基本合意を発表した。

トロフィーに150万円!? 「予算使いすぎ」で怒られた制作現場

eスポーツの大会は、選手の試合だけで成り立つわけではない。会場設営やステージ演出、映像制作、配信など、多くのスタッフが関わり、規模が大きくなるほど演出や美術にも費用がかかる。

そんなイベント制作の舞台裏について、ZETA DIVISION執行役員・制作部長 EVA/岩田遼太郎さんが明かしたのが、“予算使いすぎ”のエピソードだ。

「eスポーツ しくじり事件簿」登壇者。左から、TAIGA KISHIさん、ZETA DIVISION GAMING ACADEMY 特別顧問 crowさん、ZETA DIVISION CREATOR部門 Clutch_Fiさん、鈴木ノリアキさん、ZETA DIVISION制作部長 EVA/岩田遼太郎さん

岩田さんによると、イベント用のトロフィーに150万円、別のイベントでは会場に設置した大型バルーンに約200万円をかけたことがあるという。

高額な制作費を上司に報告する際には、イベントが盛り上がっているタイミングを狙うこともあるそうだ。岩田さんは、イベント終盤の高揚感があるなかでトロフィーの金額を伝えると、受け入れてもらいやすかったというエピソードを笑い交じりに明かした。

さらに、麻雀ゲームとのプロモーション企画では、昭和の雀荘をイメージした空間を再現。壁を黄色くするなど細部までこだわり、テレビ番組などの美術を手掛ける会社にセット制作を依頼したという。

岩田さんは、「イベントの美術にはめちゃくちゃお金がかかる」と振り返り、結果として企画が赤字になったことも明かした。

華やかな大会の裏では、こうした企画や演出を形にする制作スタッフが、予算と向き合いながら現場をつくっている。

海外遠征で痛感したマネージャーの存在

一方、ZETA DIVISION GAMING ACADEMY特別顧問 crowさんが振り返ったのは、選手時代の海外遠征で起きたトラブルだ。

フィリピンでの大会から韓国を経由して帰国しようとした際、乗り継ぎ便が出る空港が、到着した空港とは別だったことが現地で判明。出発までは約1時間しかなく、急いで現地通貨に両替し、タクシーで別の空港へ向かったという。

そのとき助けになったのが、同行していたマネージャーだった。crowさんによると、出発まで時間がないなか、空港間の移動やタクシーの手配などをサポートしてくれたという。自身は言葉にも不安があり、「マネージャーがいなかったら、絶対に乗れなかった」と振り返った。

選手が競技に集中できる裏側では、移動や現地でのトラブルに対応するスタッフの存在も欠かせない。ステージで披露された“しくじり”は、eスポーツ業界がプロゲーマーだけではなく、さまざまな仕事によって支えられていることを示すものでもあった。

“しくじり”エピソードが披露されるたび、会場は笑いに包まれる和やかな雰囲気となった

このほか、鈴木ノリアキさんは番組出演時の衣装をめぐる失敗談、Clutch_Fiさんはグッズ用のボイス収録をめぐるエピソードを披露。クリエイター、選手経験者、制作スタッフと、それぞれ異なる立場からeスポーツの現場で起きた“しくじり”が語られた。

ZETA・バンタンとT1 Esports Academyが人材育成で連携

eスポーツの現場を支える人材をどう育てていくのか。ステージ終盤には、その答えにつながる新たな取り組みも発表された。

ZETA DIVISIONを運営するGANYMEDE、バンタン、T1 Esports Academyの3社は、eスポーツ人材の育成領域で事業連携の基本合意を締結した。

GANYMEDE執行役員の千葉哲郎さんによると、連携の第1弾として、ZETA DIVISION GAMING ACADEMY(ZGA)の在校生を対象に、T1 Esports Academyによる特別集中講座の実施を予定しているという。

千葉さんはさらに、将来的にはZGAの在校生だけでなく、日本でeスポーツ産業を担いたい若者や社会人にも対象を広げ、業界でのキャリアにつながる教育事業を展開していきたいとの考えを示した。

競技力だけでなく、eスポーツのビジネス人材を育成へ

左から、バンタン 執行役員 佐藤裕則さん、GANYMEDE 執行役員・事業開発部部長 千葉哲郎さん、ZETA DIVISION GAMING ACADEMY特別顧問 crowさん、T1 Esports Academy事業リード Chiefさん、T1戦略成長担当の JINさん

ZGAは2027年4月に開校予定で、ZETA DIVISIONがカリキュラムを監修するeスポーツスクールだ。プレイヤーの育成だけでなく、将来eスポーツ業界で働く人材を育てることも目的としている。

カリキュラムには、大会やイベントの企画・運営、配信や映像制作など、競技以外の仕事につながる学びも盛り込まれる。今回の連携では、T1 Esports Academyが培ってきた育成ノウハウを取り入れ、日本の教育環境に合わせて展開していく考えだ。

バンタンの佐藤さんはステージ上で、目指すのは「プレイヤーとしての強さ」だけではなく、国内外のプロシーンやビジネスの現場を担う人材の育成だと説明した。

前半で語られた“しくじり”も、単なる笑い話ではない。イベント制作では予算管理があり、海外遠征ではマネージャーの判断や対応力が求められる。現場で積み重ねられてきた経験そのものが、これから業界を目指す人にとっての学びにもなる。

大会の表舞台だけでなく、その裏側を支える人材をどう育てていくのか。3社は今回の事業連携を通じ、競技力の向上にとどまらず、グローバルに通用する「eスポーツ業界の次世代ビジネス人材」の育成を目指すとしている。


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