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M!LKやスンスン、白黒ポテチも登場!?ランクアップ社「社内ハロウィン」から考える福利厚生の姿

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仮装姿の社員が、普段どおりに仕事や会議に臨む。オリジナル化粧品ブランドや学童型スクールを展開する株式会社ランクアップが2026年10月27日、東京・銀座の本社で開いた「社内ハロウィン」では、仮装姿で執務に取り組んでいた社員の笑顔が目立つパーティーも行われた。ランクアップ社は、学校の面談にも使える30分単位の有給休暇なども設けている。代表取締役の岩崎裕美子さんのねらい、社員の声とは。ランクアップ社の取り組みから、福利厚生が人材の採用や定着に与える影響を考える。

部署の垣根を越える社内ハロウィン

ランクアップ社の「社内ハロウィン」は、2013年より続くハロウィン時期の恒例行事だ。社員が仮装したまま普段の業務や会議に臨み、夕方には業務を終えてパーティーが行われる。当日は、自宅から仮装して出勤する社員もいれば、会社で準備する社員もいるという。

仮装姿のまま真剣な表情で執務に励むランクアップ社の社員

2026年の仮装テーマは「2026年話題になったもの」。M!LKやパペットスンスンのほか、ナフサ不足で色味のないパッケージに変更されたポテトチップスの空袋に扮した社員もいた。仮装については部署内で数か月前からアイデアを出し合い、業務の合間を縫って準備を進める。なかには「前日の23時頃まで、同僚と準備を進めていました」という猛者もおり、社内ハロウィンへの本気度がうかがえた。

社員たちは「ここまで本気で仮装してくる会社は、なかなかないと思います」と話す。岩崎さんも、仮装の題材や見せ方の工夫によって「アイデアを考える力が磨かれる」として、単なる社内イベントにとどまらない効果があると胸を張って話す。

仮装した社員たちが一堂に会するパーティーがスタートすると盛り上がりは最高潮に。それぞれの衣装について尋ねる場面も多く見られた。参加した社員は「仮装をきっかけに、これまで関わりのなかった部署の方とも話せるのでいいなと思っています」と語った。

「お母さんになっても辞めずに」社員の改善提案から制度を実現する

現在、就職・転職を考える求職者にとって、福利厚生は就職先を選ぶ際の判断材料の一つとなっている。独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)が2017年の企業・従業員調査を分析し、2022年に公表した報告では、福利厚生が充実した企業ほど人材を採用・確保しやすい傾向がみられた。就職活動時に福利厚生を重視した従業員ほど、入社後の会社への満足度や、その会社で働き続けたいという意向も高かった。

今回のランクアップ社においても様々な福利厚生を設けられている。実は社内ハロウィンも、子育て中で「退勤後の飲み会などには参加しづらい」という社員の声から実現した福利厚生の一環なのだそうだ。

社員の約8割を女性が占め、約4割が子育て中の社員だという同社では、ほかにも仕事と家庭の両立を支える独自の制度が数多くある。

株式会社ランクアップ 代表取締役 岩崎裕美子さん

その一つが、30分単位で取得できる有給休暇制度だ。岩崎さんはその使い方の一例として子どもの学校での面談を挙げる。「半日がかりでやる学校の面談ってまずなくて、ときには15分くらいで終わることもある。そのために半日や1日休を取ったら有給休暇がなくなってしまう。小さな単位にして必要な時間だけ休める仕組みにしました」

この休暇はもちろん、子育て中の社員以外も利用できる。定時まで働くとコンサートの開演に間に合わない日は、退勤前に必要な時間分の休暇を取り、早く会社を出るといった使い方も認められているという。

さらに、子どもの急病時に利用できる『病児シッター制度』では、社員がベビーシッターに子どもの世話を頼み、仕事に出られるようにするという内容のものだ。2024年4月1日からはベビーシッター費用を全額会社負担し、リモートワーク中も利用できるようにするなど、改善も図ってきた。利用した社員は「どうしても外せない業務がある日にベビーシッターを頼んで出勤することで、仕事を休んで同僚に負担をかけてしまう引け目がなくなった」と話す。

社員と同じく岩崎さんも仮装姿に。パーティ前にはこの姿でリモート会議もこなしていた

ほかにも、子どもと一緒に出勤できる「子連れ出社制度」や、子どもが小学3年生になるまで6時間勤務を選択できる「時短勤務制度」など、用意されている制度は多岐にわたる。こうした福利厚生の充実に力を入れる理由について、岩崎さんは「お母さんになっても、会社を辞めずに働き続けてほしいため」だと言う。

実際に、こうした福利厚生や職場環境が入社の決め手となった例もある。かつて育児と仕事の両立に悩み、外資系IT企業を退職した社員は、同社の制度や社内風土に魅力を感じて転職を決意したという。特に、子連れ出社制度に加え、子どもを膝に乗せたままリモート会議に参加することを同僚が自然に受け入れる環境に共感し、「無理やり子どもと仕事を切り離す必要はない」と感じたそうだ。

また、同社では社員の困りごとや要望を制度に反映するため、職場環境の改善提案を募る仕組みも設けている。提案を寄せた社員には、採用の有無にかかわらず1件につき500円を支給。年間600件を超える提案が寄せられた年もあったという。

こうして社員の声を汲み取り、仕事と家庭を両立するための選択肢を増やしてきたランクアップ社。社員が働き続けるための努力を本人だけに求めるのではなく、それぞれの事情やライフステージの変化を踏まえ、会社としてできることを考え、環境を整えていく。こうした考え方と取り組みは、人材の獲得や定着が課題となるなか、企業が福利厚生のあり方を見直す一つの指針となるのではないだろうか。


取材・文・写真:カネコシュウヘイ
編集:土田洋祐

ライター、編集者。ビジネス・キャリア・エンタメ・アイドルのインタビュー、ライブ及びイベントのレポートに注力。現場主義で日夜、取材に奔走中。
拙著『BABYMETAL追っかけ日記』(鉄人社)。Twitterは@sorao17

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