ネチネチと続く先輩からのLINE

　その後もAさんは福田さんを目の敵にして、ネチネチとLINEで文句を言ってきたりときには直接嫌味を言われたりすることもありました。その内容は飲み会のことだけではなく、仕事や見た目など関係のないところにまで及び始めるのです。

「いろいろ言われて正直すごく嫌でしたが、そのときは軽く聞き流したり、無視したりしてやり過ごしていました。でもこの僕の態度が気に入らなかったみたいで、そのLINEの矛先がほかの同期に向けられてしまったんです」

　次にLINEのターゲットになったのは、福田さんと同期入社したDさんという女性でした。Dさんはとてもおとなしい性格で、あまり人に強く言えないタイプ。わざとそういう性格のDさんを選んだのは目に見えていました。

上司に相談して見事大逆転！

　そんななか、AさんがDさんにLINEを送った翌日に福田さんが出社すると、Aさんの姿が見当たりません。同僚に確認すると「上司数名に呼び出されて会議室にいる」と、教えてくれました。そのままAさん不在で始業となり、その後、昼頃に戻ってきたAさんは生気のない顔で静かに仕事を始めたそうです。

「実はこうなることは知っていました。AさんからのLINEが始まった頃から、僕は直属の上司であるFさんに相談していて、AさんからのLINEのスクショも定期的に見せていたんです。もちろん同期や仲のいい先輩にもこのことは話していて、もしAさんからなにか言われたらすぐにFさんに相談するように伝えていたんです」

　もちろんDさんもその一人で、前日AさんからLINEが来た直後にFさんに相談してたそうで、福田さんもそれをLINEで知っていました。そしてFさんは福田さんからの情報が十分揃ったこと、加えてDさんにも同じようなLINEをし始めたタイミングでほかの上司たちにも報告。すぐにAさんに注意するという対応をとってくれたのです。

「これ以降、Aさんが飲み会を提案することもないですし、とても平和に過ごせています。こういうアルハラとか、パワハラがあるって大学時代に先輩からさんざん聞かされていたんで、もし自分の身に起きたらこうしようって決めていたんですよね」

　職場に理解のある人たちが多くて助かったというAさん。みなさんも後輩がハラスメントにあっていたら、Aさんのような毅然とした態度で臨みいたいですね。

＜TEXT／つる＞