近年は飲食の充実がさらに重要に

2022年10月20日に約10年ぶりとなる新規出店となった「ふかや花園プレミアム・アウトレット」

「一時的に集客が落ち込む時期もありましたが、お客様から『近場でお出かけができる開放的な外出先』としてプレミアム・アウトレットを評価いただけたことから、コロナ禍による影響は最小限に抑えられたと考えています。幸いにも2020～2021年ごろは例年の7～8割くらいの集客と、コロナ禍の影響は最小限に抑えることができたんです。

　海外旅行に行けなくなり、外出時も感染リスクがあるなかで、お客様が『近場でお出かけができる開放的な外出先』としてお越しいただいたことが大きかったと考えています」

消費者ニーズは以前にも増して多様化

御殿場プレミアム・アウトレットでの打上花火の様子

　現在はインバウンド客を除くと、コロナ前の水準に復調してきているそうだ。他方、ウィズコロナやおうち時間の充実など、消費者ニーズは以前にも増して多様化している。このような状況下で、アウトレットモールとして「新たな体験価値」をどのように作っているのか。

「2010年代中盤に『モノ』から『コト』へと消費志向がシフトし、アウトレットモールにおいても飲食・食物販への需要が高くなってきました。先日約10年ぶりに新規開業した『ふかや花園プレミアム・アウトレット』では、飲食関連の店舗が41店舗と、当社の新規開業時においては過去最大の数となっています。

　また、これまではアメリカの都市をイメージした施設デザインを用いていましたが、ふかや花園では地元の深谷にゆかりのあるレンガや、切り花生産量が日本一のユリを建築デザインやモチーフに用いるなど、より地域共生を意識した施設を目指しています」