深い悲しみをモチベーションに筋トレを開始

　メッセージを読み返せば読み返すほど、蒲田さんの体形を否定しただけでなく、大企業に勤めていなければ価値のない人間のように言い放ったS子への怒りに収集がつかない状態に。怒りとともに、深い悲しみや虚しさのような複雑な感情が押し寄せて苦しくなった蒲田さんは、S子のアイコンが掲載されているマッチングアプリのページを探したと言います。

「アイコン画像を大きくしてスクショし、パソコンへ転送。その写真を大きく引き伸ばして印刷し、壁や床などに複数枚貼り付けたんです。そして、毎日それを見ながら腕立て伏せや腹筋、ランニングマシンを使ったランニングをし、半年かけて30キロやせました」

やせて徐々に女性からモテるように

　大幅なダイエットに成功した蒲田さんは見た目も大きく変化し、服装にも気を遣うようになって、徐々に女性からモテるように。人生が激変し、いまではS子に感謝するまでになったと言います。

「ただ、『イケメンだよね』などと容姿について何度も褒める女性は即シャットアウトしています。全員がS子さんみたいな女性でないことはわかっていますが、やはり容姿について頻繁に触れてくる女性は、僕の外見ばかりを見て判断しているのかな？ と。外見や勤め先は将来変わることもあるので、内面を見てくれる女性とのお付き合いを考えています」

　マッチングアプリで嫌な思いをした蒲田さん。けれど、その怒りや憎しみをポジティブ行動につなげた結果、よい方向に人生が激変しました。出会った相手に不快感を与えないことがマナーであることはもちろんのこと、嫌な目に遭ったときの対処方法の違いが、今後の人生を大きく変えることになるかもしれません。

＜TEXT／山内良子　イラスト／zzz（ズズズ）＞

－［私たちのマッチングアプリ成功・失敗体験談］－