円満退社は難しいだろうなって

「これで会えるようになると嬉しい気持ちもありましたが、このタイミングだと円満退社は難しいだろうなって。だから、このときは思い留まるように伝え、しばらく様子を見ようと話したんです」

　ところが、それから約2か月経った2020年11月、「退職届を出した。年内で辞める」と彼女から告げられます。

「事後報告でしたが、考え抜いた末に出した結論だと言っていたし、その決断は尊重しました。上司である婦長さんからの再三の説得を押し切って辞めたため、懸念していた通り円満退社とはいかなかったみたいです」

同棲してすぐに入籍を決意する

　でも、本当はコロナがなければ2020年のうちに婚約、2021年に結婚式を行う計画を立てていたそうです。その話がいったん白紙になったことは、三十路を目前に控えた彼女に不安と焦りを与えたのでしょう。

「気持ちは痛いほど理解できました。だから、僕と一緒に住みたいと言われたとき、『喜んで！』と二つ返事でOKしたんです」

　もともと彼が住んでいたのは、家賃の安い地方都市だったこともありますが、1人で住むには少し持て余していた2DKの賃貸マンション。今年に入ってすぐに同棲生活が始まりますが、彼女から押し切られる形でそれからすぐに入籍することになります。