後継ぎ、介護…長男が避けられる背景と現実

　冒頭の“普通の男”の条件のひとつに「長男以外」というものがありました。29歳の女性Dさんも長男は避けたいと考えている人の一人。「恋人ならいいけど、結婚なら長男じゃないほうがいい」と本音をこぼします。

　長男が後継ぎの問題で将来的に男性の地元に転居したり、義理の両親と同居または介護を任される可能性も考え、長男を避ける傾向にあるのかもしれません。

　しかし、現実には「子どもに迷惑をかけたくない」という理由で、介護施設に入所したり、長男が遠方に就職したため、次男が親と同居したりするケースは珍しくありません。長男と結婚したら将来、必ず同居や介護をしなければならない、というわけでもないのです。

「普通の男」の条件よりも大切なこと

　つまり、長男であることを理由に結婚を断られる可能性は極めて低いと思います。筆者の夫も長男ですが、それを嫌だと思ったことは一度もありません。大半の女性は、本当に好きな人なら長男でも全く気にならないのではないでしょうか。

　実際に女性の意見を聞くと、ここで書かれた条件よりももっと重視したいところがある人がほとんどです。その中でも29歳のEさんは「強靭なメンタル、何事も自己解決できる成熟度」を条件として挙げていて、内面を重視していることがわかります。

　ここで書かれた「普通の男」の条件は、あくまで「こういう男性が普通だと思っている人たちがいる」と捉えたほうがいいのかもしれません。

＜TEXT／林加奈＞