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「希望退職」と「解雇」は法的に何が違う?知らないと損する基礎知識

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 コロナ禍で業績が低迷する企業が「希望退職者の募集を開始」といったニュースが増えています。会社員の読者の皆さんにとっては決して他人事とは思えないはずです。

ターニングポイント

画像はイメージです(以下同じ)

「希望退職」は企業が従業員を退職させるという点で、いわゆる「解雇」と近しい気もします。

 今回はこの2つが法律的にはどのように区別されているのか、弁護士で公認会計士の資格を持つ後藤亜由夢さんに聞いてみました。

「希望退職」と「解雇」の違いは?

 まず「希望退職」と「解雇」の違いについて説明してもらいました。

「法律用語ではないものもあるので、あくまで一般的に使われている用語の意味から説明します。希望退職は会社が早期退職を希望する従業員を募集し、その従業員との間で退職の合意を行うことです。対して、解雇は会社側による一方的な労働契約の解約をいいます」(後藤弁護士、以下同じ)

 「自己都合」退職は失業保険の受給開始まで3か月の給付制限がありましたが、2020年10月1日以降の自己都合退職は「5年間のうち2回までは給付制限が2か月」と法改正されました(つまり、給付制限が終わるまで、給付を待たされるわけです)。

 一方、解雇や希望退職は、「会社都合」退職です(希望退職=会社が人員削減のために退職希望者を募るため)。会社都合のほうが、失業保険は早く給付が始まります。

「会社都合(解雇や希望退職)で離職した場合は、失業手当の申請手続きから7日間の待機期間の後に受給資格が得られ、その4週間後に失業手当を受給できます。失業保険について詳しく知るには、ハローワークのホームページを参照してみてください」

 また、失業給付が何日分もらえるかは、年齢や雇用保険への加入期間によって変わります。が、同じ条件なら、自己都合より会社都合(解雇や希望退職)のほうが、給付日数が長い(=給付額が多い)のです。

「退職勧奨」や「退職強要」って何?

退職届

 退職にまつわる表現で、ほかにも「退職勧奨」や「退職強要」という言葉を聞いたことがあります。いずれも従業員に退職を促す点は希望退職とよく似ていますよね。それぞれのニュアンスの違いを聞きました。

「退職勧奨も、退職強要も会社側が従業員に対して退職を促しつつも、最終的にはあくまで合意による退職をさせることをいいます。一般的に退職勧奨は、あくまで従業員の自由意思を尊重したうえで“適法に”退職の合意を得ること。それに対し、退職強要は半ば強制的に退職を迫ったものであり、違法解雇と同視できるものをいいます」

 退職勧奨・強要は、どんなに迫られても、働く側は拒否する権利があります。もし勧奨・強要に負けて辞めたら、それは「自己都合」退職になってしまい、前述のとおり「会社都合」より失業給付で不利になってしまうのです。

 また、「退職勧奨」もしつこくプレッシャーをかけられた場合などは、「退職強要」とみなされることもあり、法律の専門家に相談してみるべきでしょう。

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