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ダイソー「グローバル旗艦店」店長に入社3年半で抜てき!年上スタッフとの関係づくりのカギは呼び方【Z世代は何を想う】

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同世代の成功話など、すなおに聞けないかもしれない。しかし、とらわれない心で耳を傾ければ、身近な世代の頑張りにこそ、自分の成長のヒントが隠されている場合もあるはずだ。

そこで今回は、大創産業(ダイソー)に2021年(令和3年)入社した、グローバル旗艦店「DAISO マロニエゲート銀座店」の店長・原田優花さん(Z世代)の仕事に対する考え方や将来ビジョン、業務上の工夫などを、bizSPA!フレッシュ編集部の同じくZ世代・山崎大が聞いた。

誰かのために何かを提供する仕事がしたかった

学生時代は陸上部に所属。短距離走と長距離走の両方を経験した

大創産業といえば、豊富な種類の生活用品がそろう100円ショップ「DAISO(ダイソー)」が有名だ。国内店舗数は3,758店舗に及び、海外店舗も2,000店以上展開する(2023年2月末時点)。

そのグローバル旗艦店「DAISO マロニエゲート銀座店」の店長を務める原田さんは学生時代、どのように「就活」を進め、現在の企業に就職したのだろうか。

「自分の可能性を決めつけたくなかったので最初は、とにかくいろいろな業界の説明会やインターンに参加しました。あらゆる会社を見ていく中で『人々の生活を豊かにするような何かを提供できる仕事』に就きたいと思うようになり、会社選びの軸となっていきました」(原田さん)

大創産業に入社した決め手は何だったのだろう。

「一番は私が、ダイソーのヘビーユーザーだったからです。幼いころからダイソーが本当に好きで、よく親に連れて行ってもらっていました。お店には、いろいろな種類の商品が置かれていて、その中を歩いて回ると“宝物探し”をしているような気分になれて楽しかったんです。

大創産業に入社が決まり、母に報告した際も『確かにあなた、全国のダイソー巡りたいって言ってたもんね』と言われて(笑)」(原田さん)

ダイソーへの愛が伝わってくる。

「はい(笑)あとは、大創産業の企業理念が自分の就活の軸とマッチしていた点も入社を決めたポイントでした。“自由な発想で、楽しさと豊かさを提供し続ける”という企業理念があると知り、ダイソーなら『人々の生活を豊かにする何かを提供できる』と思ったんです」(原田さん)

グローバル旗艦店の店長に25歳で着任

お客さんの目につきやすいエリアにはシーズナル商品を陳列。この時期は、ハロウィンアイテムがずらりと並ぶ

現在の業務はどのような内容なのか。

「私は現在『DAISO マロニエゲート銀座店』の店長を務めております。接客はもちろん、商品の発注や売上データの分析、商品の売り場づくり、スタッフのマネジメントなどが主な業務です」(原田さん)

ダイソーと言えば、豊富な商品が並ぶ売り場が印象的だ。売り場づくりは、どのように進めているのだろうか?

「“データと自分の肌感覚を掛け合わせる”ですかね。ダイソーの売場づくりには、店長のセンスがとても重要になってくるんです。ただ私は、そういった部分が苦手で……。

だからこそまずは、しっかりとデータを日々分析しながら、お客さまのニーズやトレンドを把握するように心掛けています」(原田さん)

ニーズの把握には、SNS(会員制交流サイト)も活用するという原田さん。ダイソーのキャンプグッズは根強い人気を誇る

「また、データからは見えない、リアルだからこそ得られる情報も大切にしています。各エリアの担当者に売り場の体感をヒアリングし、どんな商品が今求められているかをチェックするんです。そうやって、データと自分たちの肌感覚をすり合わせて初めて“いい売り場づくり”ができると思っています」(原田さん)

他のダイソー店舗に足を運び、売り場づくりの参考にする場合もあるのだろうか。

「もちろんです。今も、現役のダイソーヘビーユーザーなので、ショッピング目的でいろいろな店舗に訪れます。やっぱり、売り場のレイアウトは見ちゃいますね。売り場の様子をこっそり撮影して、マロニエゲート銀座店の参考にさせてもらうこともしばしば(笑)」(原田さん)

開店時間前に毎日行われる朝礼。前日の売り上げデータや業務連絡などを報告する

年齢が上のスタッフも多いはず。コミュニケーションを取る上で大切にしているポイントはあるのだろうか。

「“言うときは言う”、これはかなり大切にしています。ただ、店長だからといって偉いわけではありません。正社員もパートさんも関係なく同じダイソースタッフの仲間。その信頼関係を大事にした上で、おかしいところは互いに指摘し合う。私自身まだ、遠慮してしまう場面もありますが、頑張って言うようにしています」(原田さん)

大創産業の社風について

入社1年目は「DAISO博多バスターミナル店」でスタート。2年目で「DAISO大分下郡店」の店長に着任し、3年目の途中から東京に異動。「DAISOマロニエゲート銀座店」店長に着任する

新卒2年目で早くも「DAISO 大分下郡店」の店長に原田さんは着任した。若くして店長を任される不安はなかったのだろうか。

「もちろん不安はありました。入社1年目の時『私たち本当に来年から店長になるの?』みたいな話も同期として(笑)ただ、店長になるとはいえ、自分が先頭に立ってリードしていくというより、スタッフさんと一緒に成長していくスタンスだったので、不安はあっても抵抗感はありませんでした。

役職が変わるだけで、あくまで自分も、ダイソーを運営していくスタッフの1人。『スタッフさんがいてこそのお店だよ』という言葉は上司から常々言われていて、“スタッフさんファースト”の精神は1年目から忘れず持ち続けています。

また、実際に店長になってからも上司が付きっきりでサポートしてくださったので、店長業務に安心して取り組めました。私に限らず、どこの店舗も、上司やスタッフさんと一緒に運営していく体制です。若いうちから店舗運営を学べる環境が整っている点は、大創産業の大きな特徴かもしれません」(原田さん)

現在に至るまで4店舗で店長を経験。「まだまだ勉強中の身です」と語る原田さん

入社して3年半でグローバル旗艦店「DAISOマロニエゲート銀座店」の店長に大抜てき。その責任の大きさを前にしても不安はなかったのか?

「不安がなかったというとうそになりますが、どちらかというとワクワクが強かった気がします。日本を代表する旗艦店ですし、大分や福岡とはまた違った経験ができると思ったので。

実際こちらに来てからは、海外のお客さまと接する機会もかなり増えました。英語での会話も多く求められるので、少しでもスムーズにコミュニケーションを取れるよう今は勉強しています」(原田さん)

「マロニエゲート銀座店」は「DAISO・Standard Products・THREEPPY」の3ブランドが融合したグローバル旗艦店。1日4,000人以上が多い時は来店する

大創産業では、キャリアを形成していく上で少しでも視野を広げてもらいたいという意図から、エリアを問わない異動も珍しくないと聞く。他に、大創産業ならではの制度やルールなどはあるのだろうか?

「独自かどうかは分かりませんが『役職で名前を呼ばない』という点でしょうか。エリア部長も店長もパートスタッフも関係なく、みんな「○○さん」で統一しています。こういう細かいところも、フランクな関係性や相談しやすい環境づくりにつながっているんじゃないかなと」(原田さん)

夢や目標は?

スタッフが必ず携帯するバッグ。カッターやペン、メモ帳など、各々が必要とするアイテムが入っている

当面の目標は何だろうか。

「大創産業として『DAISO』『THREEPPY』『Standard Products』の3ブランドが協力して成長していく提案をしているので、まずはそれを、このマロニエゲート銀座店で実現させたいです。

福岡の時は、新店舗立ち上げから携わっていたため、ブランド間の交流も頻繁にありました。しかし、マロニエゲート銀座店は、3ブランドそれぞれのスタイルが確立してしまっているので、自分が架け橋となって、ブランド間のコミュニケーションを積極的に取っていきたいです」(原田さん)

原田さんの将来的な夢は。

「ゆくゆくは、バイヤーになりたいと思っています。今は、どちらかというとサービスを提供する機会が多いので今後は、お客さまに感動を与える商品を提供できるような立場になってみたいです」(原田さん)

自分が選んだ商品が店頭に並んだ暁には「写真を撮って親に報告します(笑)」と原田さんは話す

最後に、10年後の大創産業はどんな進化を遂げていると思うか、聞いてみた。

「そうですね。これは、おごりでもなんでもなくて、ヘビーユーザーとしての考えでもあるのですが、ダイソーって本当に、私たちの生活に密に関係していると思っていて。全国各地に店舗がありますし。『ダイソーで買わなかったらどこで買うんだろう』というくらい日本では欠かせない存在になっていると思うんです。

だから今後は、日本だけでなく、世界中で必要とされるブランドになっていくんじゃないかなと。その成長に自分も貢献していけたらなと思います」(原田さん)

【おまけ】先輩の市葉さんに聞く。原田さんはどんな人?

趣味はK-POP鑑賞。特にTWICEを推しているそう

先輩の市葉さん
グローバル旗艦店の店長としてプレッシャーは大きいと思いますが、前向きに業務に取り組んでいます。とても向上心があり、私自身も期待している若手社員です!

――――

若くして、グローバルな展開を視野に入れながら活躍されている原田さん。

日本を代表する企業の旗艦店店長の根底には「大好きなダイソーに恩返しがしたい」という気持ちと「人々の生活を豊かにするような何かを提供したい」という信念があると感じた。

原田さんのたくましい姿が、大創産業のさらなる成長を後押しするに違いない。

[インタビューのお相手]

氏名:原田 優花(はらだ ゆうか)さん

生年月日:1997年10月29日

出身地:福岡県

趣味:K-POP鑑賞

[取材協力]

株式会社大創産業

[取材・文・インタビュアー/山崎大、撮影/渡辺昌彦]

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