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やる気を取り戻す93のヒント。マイナス思考のテレビマンがたどり着いたモチベーションの教え【週末読みたい本の話】

話題の新刊から、名前は知っているけれどなかなか手が出ない古典まで、時事性の高い政治・経済ニュースの見方が深まる良書の書評を、大手メディアで取材記者歴30年、海外駐在経験もあるジャーナリストが担当する。

そんなジャーナリストがお勧めする今週読みたい本は……。

角田陽一郎著〈どうしても動き出せない時のモチベーションの見つけ方〉(大和書房)

どうしてもやる気がでない、気分が乗らないという時は誰にでもあるだろう。上手に気分転換を図り、モチベーションを回復できる人も一部にいるが、そうでない人も多い。

そんな人にとって頼もしい助けになる本が角田陽一郎著〈どうしても動き出せない時のモチベーションの見つけ方〉(大和書房)である。

著者は、大手キー局で勤務経験のあるテレビマンだ。バラエティ番組などを多数制作し「バラエティプロデューサー」を独立後も名乗っている。

経歴からして悩みなどないように思えるが「ウジウジいつも迷ってばかり」「どちらかというとネガティブな暗い人間」だと著者は記す。

その本来ネガティブな人が自らの経験から、自分をいい方向にコントロールする方法についてまとめてくれた本だ。

実体験に基づいているだけに、本書が示すモチベーションの見付け方には説得力がある。

大物芸能人が運転手を付けず自分で運転していた理由

朝のルーティン、仕事に向き合う姿勢、人生に対する考え方まで本書の内容は多岐にわたる。

どうしてもやる気が出ない日、やりたいことに悩んでいる日、無理せずゆるくやりたい日、無限にアイディアを生み出したい日など、状況に応じて教えが紹介されている点も分かりやすい。

本書の教えを幾つか紹介すると例えば、気分を変えるための場所の移動を著者は提案している。

具体的な場所として海がお勧めされているが海に限らず、自分がわくわくする場所に行って考える効用を本書では説いている。

さらに、移動を車に切り替える効用についても角田陽一郎氏は書いている。

仕事で接した大物芸能人が運転手を付けず、自分の運転で移動していると知った著者は自身でも、空き時間をつくり考える時間をつくり出すために、移動を車に切り替えたという。

車での移動にはコストがかかるが確かに運転は、脳を活性化させるという研究もある。

モチベーションを上げたり会議をスムーズに進行させたりできるのであれば、コストを払う価値があると著者は考える。著者の考え方は新鮮であり、大いに共感できる。

生活や仕事のヒントであり人生の教訓

著者は、文章を書いて、自分の考えをアーカイブ(記録)する重要性も説く。

その日にあったささいな出来事も流さないように書いて記録する習慣を続ければ、1日1日を充実させて過ごすためにも効果的である。

仕事面においては、思考を図でグラフィック化すると、自分が何をやりたいのか整理されて、新しい発想が生まれやすくなるらしい。

他にも、物事をパターンにあてはめて考えない、いい・悪いの評価を決め付けないなど、柔軟な発想や応用的な思考の重要性についても著者は記している。

著者の示す93のヒントはもちろん、全ての人にそのまま当てはまる内容ではない。あくまでも93の教えは、生活や仕事のヒントであり、人生の教訓である。

ただ、自分なりに解釈しアレンジを加えれば、若い世代のビジネスパーソンにとっても参考になる内容が多くあるはずだ。

ゴールデンウイークの連休明けで、モチベーションがいまいち上がらない場合に、自分を見つめる機会を持ってみても悪くない。

本書は、そのための頼もしい伴走者になってくれるだろう。

[文/H.Nack]

在京の大手メディアで取材記者歴30年。海外駐在も経験。

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