SNSで出会った女性に数百万円を持ち逃げされ…

栗村崇氏

　恋愛の入り口として、マッチングアプリやSNSを利用することは珍しくなくなった。しかし、顔の見えない相手と交流する性質上、トラブルが発生して相談を寄せられるケースは多いという。

「うちに寄せられる依頼のうち、4割程度はネット経由で出会った男女のトラブルによるものです。男性の場合は『お金をとられた』、女性の場合は『妊娠させられた』といった相談が多く、被害はどんどん拡大しているように思います」

　栗村会長が実際に遭遇した事例を挙げよう。とあるマッチングアプリを利用した30代の男性が、女性に約700万円を持ち逃げされる被害を受けたそうだ。

「その男性は恋愛経験が豊富なほうではなかったのですが、お相手のターゲットを見ると若くてキレイな女性でした。きっと女性に言い寄られて舞い上がってしまったんでしょう。私も1人の男なので、気持ちは痛いほど分かりますよ」

実はダマされたという依頼ではなく…

　依頼を受けた栗村会長は、なんとか相手の行方を突き止めた。しかし、相手は東京の一等地で別の男性と同棲していたことが発覚する。

「客観的に見れば、お金を持ち逃げされた時点でダマされていたのは明らか。でも、じつはこの依頼は『ダマされたと思う』と依頼されたのではなく、『彼女の行方が分からず心配で……』という形で依頼されたものでした。この方に限らず、心配から弊社にご依頼をされ、真実に行き着くケースが多いですね」

　さらに、借用書が存在したわけでもなく、客観的にお金の持ち逃げを証明する方法がなかったため、この700万円は取り戻せず、泣き寝入りとなった。