「気のあるそぶり」の驚愕の理由

「実は僕の告白があったあとすぐ、Eさんのアカウントに投稿があったんだそうです。その内容は『戦歴1アップ』というものでした」

　同僚の話によると、どうやらEさんは告白された回数を「戦歴」として時折、同様の投稿をしているとのこと。しかし一方で、Eさんには男性の影が多いものの「付き合っている」という事実は見当たらないと教えてくれました。

「どうやら同僚の話からするに、Eさんは男性に告白してもらうことに達成感と喜びを感じているみたいでした。実のところ僕はSNSに疎くて……。ツイッターまではチェックしていなかったことを悔やみました」

　同僚も久々に意気揚々としている隆司さんを見て、水をさすことをためらっていたそうです。しかし、どうしても納得できない隆司さんは翌日会社の廊下でEさんに直接尋ねたそうです。

ゲーム感覚の駆け引きだったことにがっかり……

　ある日、隆司さんはEさんに同僚から拝借したツイッターのスクショを見てもらい、それが自分のことなのかどうかと聞いたそうです。

「しばらくEさんは黙ったあと、周りが振り向くくらいケラケラと大笑いして、あっさりと『戦歴』のことを認めたんです」

　真剣な形相の隆司さんに、「ごめんね」と一言告げ、自身のゲーム感覚なSNSの投稿をわびたEさん。彼女は、特定男性との付き合いは好まず、気の合う男性とSNSで会話をすることに興味があるのだと隆司さんに話し始めました。

「そこまで聞いて、ようやく自分の空回りに気づいて目が覚めましたね……。見た目は清楚で美人なEさんがそんなことをしているのかと思ったら、なんだかかわいそうにも思えてきちゃいました」

　その後しばらくして、Eさんは人事異動で地方の営業所勤務となり、「そのまま彼女との縁は切れてしまったのだ」と、隆司さんは苦笑して語ってくれました。恋愛などの人間関係において駆け引きをするときには、相手を十分に思いやることが大切ですね。

＜TEXT／ベルクちゃん＞