デジタルテクノロジーを生かした商品開発

　現状の機能としては個々に合った走り方やトレーニングメニューの提案だが、今後もさまざまな研究を通した価値創出を進めると意気込む。

「例えばその日の気分に合わせてシューズの色を変えるなど人間の感性をデータ化して商品として昇華できないか模索しています。これが実現できれば、ランニング時のモチベーション維持はもちろん、スポーツライフスタイル事業で展開している『アシックススポーツスタイル』やファッションブランドの『オニツカタイガー』でもパーソナライズされた『自分だけのおしゃれ』や『気分に合わせたファッション』をテクノロジーで提供できると思っています。『感性』と『機能』をいかに高められるかが今後の研究課題です」

　グローバルで見れば、スマートシューズ市場は着実に伸長する見込みであり、アシックスはいかに国内のパイオニアになれるかが勝負どころなのではないだろうか。今後の発展に期待したい。

＜取材・文／古田島大介＞