副業先で初めて自分を客観視できた

――副業をすることに不安はありましたか？

平沢：スキルや経験が通用するのかな？ という不安はありました。1社しか経験がないため、自分の実力がどれくらいあるかわからないですし。

――実際に働いてみていかがでしたか？

平沢：正直、思っていたより、ぜんぜん楽でした（笑）。副業先からもパフォーマンスをすごく喜んでもらえて、逆に驚きました。先ほども話しましたが、大きい会社にいると「自分は、こんな結果を残しました」とアピールする人が評価されます。

　わたしは自己主張をするタイプではないので、自分のことを過小評価していたのかもしれません。副業先で初めて自分を客観視し、ほかの会社で通用するものだとわかったんです。

大手企業で副業するメリットは2つある

本業先では得られない経験が積める

――ご自身の経験を踏まえて、大手企業で働く人が副業をする大きなメリットはなんだと思いますか？

平沢：2つあって、1つ目は経験。大きい会社にいると、大きいプロジェクトの1部分のデザインしか任せてもらえないんですけど、スタートアップ企業では、デザイン面をまるっとお願いしてもらえます。転職や起業などのリスクを取らずに、本業先では得られない色々な経験が積めるのは副業ならではの良さだと思います。

　2つ目は、自社の良さを気づかせてくれること。出世意欲のないわたしは、自社の中では“できない寄りの人”だと思っていたんです。でも、副業側の方ではスキルを高く買って、いろいろと任せてくれます。ということは、本業先で活躍している同僚たちがいかに優秀なのかを改めて実感したんです。