このほか、本書では、二度寝防止法など生活習慣についてや、酒と薬とのつきあい方、うつの底から抜け出す方法などが紹介されています。

　そこには、淡々とした語り口ながら、壮絶な二次障害の苦しみも描かれています。

『発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術』（借金玉／KADOKAWA）

「ライフハック」という言葉は一般的に、仕事を効率よくこなし、生活の質を高めるオシャレテクニックとして使われますが、借金玉さんの場合、まさに生きのびるための術だということがわかります。

　借金玉さんはこう呼びかけます。

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世界は『ハイスコア自慢』で満ちています。
まるでハイスコアを出すことが、人生の目的みたいな気がしてきます。
そんなことはありませんよ。あなたの人生を生きましょう。
僕はもう順位は気にしません。
自分のレースを自分のスピードで走ります。
残念ながら人生はまだ続く。やっていきましょう。

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「願えば叶う」なんて安易なことは決して言わない。目指すべき成功は、生き続けること。「完璧」「立派」「あたりまえ」「普通」……そんなことに絡めとられずに、自分を認め、自分のペースで愚直にとにかくやってこう――。

　そんなメッセージが満載の「日本一意識の低い自己啓発本」は、「日本一誠実な自己啓発本」なのかもしれません。

＜TEXT／鈴木靖子＞