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【誤訳率はわずか0.003%】AI翻訳「MetaRozetta」が提示する完全自動翻訳の可能性

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10月14日、メタリアルグループ傘下で企業向けのAI翻訳サービスを開発・提供する『株式会社ロゼッタ(以下、ロゼッタ社)』は、AI文書翻訳サービス「T-4OO」を刷新し、新たに「MetaRozetta(メタロゼッタ)」として提供することを発表した。都内でメディア向けに行われた発表会では、同社 MTカンパニー COO 新河戸健人さんをはじめ、新旧モデルを実際の現場にて導入する企業担当者が登壇。製品の特長や性能のほか、今後の活用の期待について語られた。

誤訳率は0.003% 確認を必要としない完全自動翻訳

東京証券取引所は2025年4月より、プライム市場上場企業に対し、決算情報・適時開示情報について英文の同時開示を原則義務化した。今後の海外展開や事業規模の拡大を目指す企業は、英文資料の作成・翻訳・確認を迅速に行う体制の整備が求められるようになった。

AIによる翻訳は英文資料作成の介助の一つだが、現在多くの場面で使用されている主要なAI翻訳サービスは、AIの出力に対して、人手による内容の確認・判断・修正を前提としたものがほとんどだ。一見、体裁が整っているように見える文章でも重大な誤訳が含まれていることがあり、結局、開示前には言語が堪能かつ、財務・会計などの専門知識を持つ人材の確認が必要になる。

そうした中、ロゼッタ社が掲げるのは“AIによる完全自動翻訳”だ。同社は完全自動翻訳について「AIが原文入力から完成した翻訳成果物の出力までの翻訳工程を自立的に完結し、その成立のために人による翻訳内容の確認・判断・修正を前提としない状態」と定義し、明確かつ重要な誤訳に対する明確な誤訳率が0.01%未満になることを一つの品質の基準としている。

今回発表された「MetaRozetta」は、この完全自動翻訳の実現に向けて、従来のサービスから自動化の水準をさらに引き上げたものだ。

引用:PR TIMES/「完全自動翻訳Lv4」を実現した新ブランド「MetaRozetta」が誕生(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000862.000006279.html)

ロゼッタ社では、自動運転の自動化レベルの考え方と翻訳分野の先行研究を踏まえ、人とAIの役割分担に応じて翻訳の自動化をレベル0から5までの6段階に分類。AIが下訳を作成し、人が全文を確認する従来の翻訳方式を「レベル2」、誤訳の可能性がある箇所のみを人が確認する方式を「レベル3」と位置づけている。

同社 MTカンパニー COO 新河戸健人さんは、今回の進化について次のように話す。

株式会社ロゼッタ MTカンパニー COO 新河戸健人さん

「今年4月に発表したT-4OOの超高精度モードは、誤訳の可能性がある箇所だけを人が確認するレベル3に相当します。そして今回、MetaRozettaの最高精度モードでは、人による確認を前提としない完全自動翻訳『レベル4』を実現しました。これまで当たり前だった、AIが下訳を作り、人が修正して仕上げるという翻訳の業務構造そのものを変えるものだと考えています

従来の翻訳業務で大きな負担となっていた全文チェックが不要となり、翻訳にかかる時間やコストを大幅に削減できます。人的な確認作業に依存せず、必要なタイミングで高精度な翻訳成果物を生み出すことができるのも利点です。メタリアルでの英文短期決算については、すでにAI翻訳のみで人手による修正を行わずに開示しています」

積み上げられた約1万ページ相当の書面。この中から明確な誤訳はわずか3カ所のみ(体感イメージ)。

同社が事前に行った10万文(約1万ページ相当)の日本語から英語への翻訳検証では、専門用語を含む取扱説明書を対象に、数値の誤りや意味の取り違え、専門用語の誤訳などを評価。その結果、明確かつ重要な誤訳はわずか3カ所にとどまり、誤訳率0.003%を記録。完全自動翻訳の品質基準を大きく下回る結果となった。

また、汎用AIによる翻訳では起こりやすい図やレイアウトの崩れもMetaRozettaでは抑えられており、原文に含まれる画像や図表、文章の配置などを維持したまま翻訳できる点も特長だ。WordやExcel、PowerPoint、PDFといった主要なファイル形式に対応しており、翻訳後に資料の体裁を整え直す手間もほとんど生じないという。

※なお、完全自動翻訳の適用範囲は、対応言語や文書の種類などによって定められており、あらゆる文書を無条件で翻訳できるわけではない。同社では、こうした制約のない完全自動翻訳を「レベル5」と位置づけている。

導入企業が実証。日立建機が評価した翻訳精度と業務効率化への期待

発表会では、従来の「T-4OO」を2020年から導入している『日立建機株式会社(以下、日立建機)』の担当者も登壇した。現在、約1,500人の社員が同サービスを利用しており、海外の販売代理店や工場とのやり取りをはじめ、取扱説明書や社内資料など、さまざまな文書の翻訳に活用しているという。

今回、日立建機は「MetaRozetta」の実用性を確かめるため、油圧ショベルの取扱説明書を用いた翻訳検証を実施。AIが生成した英文を担当者が全文確認した結果、明確な誤訳は一件も見つからなかったと報告した。

同社にて開発設計関連業務のほか、翻訳やAI翻訳サービスの導入・運用管理を担当する、開発設計統括部 向井恵子さんは、今回のMetaRozettaの検証について「非常に高い品質」として次のように評価する。

日立建機株式会社 開発設計統括部 向井恵子さん

「汎用AIでは意訳によって内容の一部が抜け落ちたり、事前に組み込んだはずの専門用語が反映されなかったりなど、誤訳・誤植が起こりやすいのですが、今回のMetaRozettaではそうした問題が見られませんでした。専門的な翻訳においては、原文の内容を省略したり、勝手に付け加えたりしないことが重要です。長年、私も翻訳業務に携わってきていますが、人が正確に丁寧に翻訳を行った文章のような印象を受けました」

また、同社 開発設計統括部 藤崎実さんは、活用範囲やリスク管理について話す。

日立建機株式会社 開発設計統括部 藤崎実さん

「当社が製造した建機は海外でも使われており、取扱説明書なども現地で使用される言語に翻訳しています。そこで誤訳が発生すると、利用者から『そんなことは書いていなかった』『説明と意味が違う』と指摘され、製品事故をめぐる訴訟につながるリスクがあります。そのため、正確な翻訳が非常に重要になります」

藤崎さんは翻訳内容の確認にかかる工数を削減できることに加え、外部の翻訳会社への委託費用を抑えられる点についても言及した。

「管理する立場からすると、外注費用を抑え、業務を効率化し、会社の利益につなげることが重要です。外部に翻訳を依頼すると、完成までに2週間ほどかかることもあります。今後は翻訳の精度が高まることで、外注費用をさらに削減し、業務のスピードも上げていきたいと考えています」

さらに、従来は英語ができる一部の社員が翻訳内容を確認する必要があり、その判断によって業務が滞る場面もあったという。藤崎さんは、確認作業を減らすことで、翻訳した資料を海外の工場などへ迅速に共有できるようになることにも期待を寄せた。

引用:PR TIMES/「完全自動翻訳Lv4」を実現した新ブランド「MetaRozetta」が誕生(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000862.000006279.html)

導入企業からも高い評価を獲得したMetaRozetta。翻訳の周辺業務のみならず、人手不足や海外進出へのハードルを下げるなど、企業の経営や未来を大きく変える可能性を秘めていると言えるだろう。

ロゼッタ社によれば、今後は決算短信や適時開示資料など、取扱説明書以外の文書についても検証を進め、完全自動翻訳の適用範囲を拡大していく方針だ。あらゆる条件下での完全自動翻訳を意味する「レベル5」に向けて、どこまで対応領域を広げられるかが注目される。


取材・文・写真:土田洋祐

bizSPA!編集部

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