いつか「田村正和さんになりたい」!?

――現在20代半ばですが、30代以降はこうなりたいという展望はありますか？

佐藤：自分が表舞台に立てなくなる時期というのが、絶対に来ると思っています。そのときにはライブの演出やプロデュースといった裏方に回りたいと考えています。だから今のうちから、裏方的な見方を意識していますし、マネージャーさんがやるようなことを自分でもやってみたり、ライブの演出を考えたりしています。

――そうなんですね。ただ役者としては30代以降もいろんな役ができるかと。

佐藤：二十歳になるまでにダンスで食えなかったら、学校の先生になるという夢がありました。なので、役者としては、30代くらいになったら学校の先生役をやってみたいです。子供も、勉強も好きで教えてみたかったので、その役ができたら最高です。あとは田村正和さんになりたい。

――え!? 田村正和さんになりたい??

佐藤：『古畑任三郎』が大好きなんです（笑）。だから個性のある探偵ものをやれたらなと。歳を取ったときに、この人といえばこのキャラクターみたいに、愛される役に出会えればいいなと思います。

今やっていることを好きになって

――最後に、映画公開に向けてメッセージをお願いします。

佐藤：今の仕事を好きだからやっている人も多いと思いますが、なかにはそうではない人もいると思います。

　この作品の主人公たちは、不器用だったりトラウマがあったりで、上手く前に進めていないけれど、でも好きだから人生をかけて小説を書いています。彼らの姿を見て、今やっていることを好きになってもらいたいです。

　それでも嫌いだと思うなら、辞めてもいいと思う。転職して、本当に情熱を注げるものを見つけてもいい。そんな考えだけじゃ食べていけないという意見も分かります。でも20代はまだ何でもできるはず。好きなものを突き詰めてキラキラしている主人公たちの姿が、背中を押すきっかけになってくれたらいいなと思います。

＜取材・文・撮影／望月ふみ＞