「メンズ美容は自己表現へ」パナソニックが新ラムダッシュ発表、シリーズ初の6枚刃モデル投入

近年は男性の美容意識が高まり、身だしなみに求められる価値も「清潔感」だけではなく、自分らしさやライフスタイルを意識したセルフケアへと広がりつつある。こうした市場の変化を背景に、 パナソニック株式会社(以下、パナソニック)は2026年7月23日、メンズシェーバー「ラムダッシュ」シリーズの新製品「ラムダッシュ パームインPRO 6枚刃」を発表した。同日開催された「新『ラムダッシュ』シリーズ発表会」では、新製品の特徴に加え、メンズ美容市場の変化や今後のブランド戦略について説明が行われた。
シリーズ初の6枚刃モデルを投入 デザインと機能性を両立
2023年に発売した「ラムダッシュ パームイン」は、手のひらサイズのコンパクトなデザインと、指先で肌の状態を感じながら“なでるように剃る”独自のシェービング体験が支持され、累計出荷台数70万台を突破した人気シリーズだ。

今回発表された「ラムダッシュ パームインPRO 6枚刃」は、シリーズ初となる6枚刃システムを採用した新モデルであり、パナソニックによれば、従来の5枚刃モデルと比べて長いヒゲのカット率が約2倍に向上、深剃りのしやすさを追求するため肌への圧力を約10%低減させるなど、さまざまな機能向上を実現しているという。



ラムダッシュ パームインPRO 6枚刃/左(ES-P680U)、中(ES-P650U-K)、右(ES-P650U-W)
また、アルミニウムから削り出した金属製ボディ(ES-P690U/P680U)、NAGORI®を採用した石目調デザインボディ(ES-P650U)など、シリーズ上位モデルとしての高級感の演出。さらに、全自動洗浄充電器「パームインポッド」やワイヤレス充電台も備え、日々の使い勝手とデザイン性の両立を図っている。

パーソナルブランドマネジメント部 部長 川治久邦さんは「2002年に誕生した電気シェーバーブランド『ラムダッシュ』を契機に、独自のコアテクノロジーと実際に使用する人の目線での研究開発力を武器に、新しいライフスタイルを提案しながら市場を開拓してきました。ラムダッシュ パームインは、単にヒゲを剃る道具ではなく、持つ喜びやインテリアとの調和といった体験価値をコンセプトとしています」と話す。
そして、今回の新製品については、「ラムダッシュの最高グレードである6枚刃を搭載することで、より機能性を高め、シリーズの最上位モデルとして選択肢を広げるため」と、開発の経緯について紹介した。
「シェーバー」から「メンズ美容領域」へ拡大
本製品をはじめ、ラムダッシュシリーズの展開を強化する背景には、男性のスキンケア需要の拡大や、美容に対する価値観の変化があるという。同社 ビューティ・パーソナルケア事業部 パーソナル国内マーケティング課 田中亨 さんは、「これまでのメンズ美容とは異なる考え方が広まっている」と説明する。

「かつてのメンズ美容においては、“女性からどう見られるか”という視点が重視されていましたが、最近では若年層を中心に“自分らしさの表現”や“自信を持つため”といった新たな考え方が広まっています。そういったニューカマーたちに向け、日常の中で自然に寄り添えるような存在を目指して開発しました」
かつての電動シェーバーの主な購入層は50~60代の男性だったが、その常識は変化してきている。川治さんは「男性のトータルな身だしなみをサポートする存在として、ラムダッシュそのものの価値を変えていく」とし、「このほかのラムダッシュシリーズ製品においても時代に合わせたアップデートをしていき、メンズ美容領域におけるリーディングブランドを目指す」と、今後の抱負を語った。
ビジネスの第一印象を戦略的に
後半には「男性の身だしなみとセルフケア」をテーマに、クリエイティブディレクター 山﨑 晴太郎さん、株式会社なかよし 代表取締役 ハヤカワ五味さんを招いたトークセッションが行われた。

ハヤカワ氏は「身近な20代〜30代の男性に聞いても、スキンケアやセルフケアはすでに当たり前の習慣となっている」と指摘し、日常の会話の中でも、具体的なケア方法や使用しているアイテムの話題へ自然と広がりを見せているという。
「以前はヒゲ剃りというと、モテるためといった文脈で語られることが多かった。しかし最近は、清潔感を保つために最低限ヒゲを剃るという感覚よりも、身だしなみを整えることで、気分が上がる、自信が持てる、といった感覚へと変化してきているようにみえます」
こうした美容意識の広がりについて山﨑さんは、「SNSや動画などを通じて、男性が日常的に美容に触れる機会が増えたことは大きい。自分の生活の延長線上にあるものとして、美容が受け入れられるようになったのではないか」と分析。

さらに「コロナ禍によるリモート会議の普及も要因の一つです。画面越しに自分の顔を見る機会が増えたことで、自身がどのように相手から見られているか、という意識が芽生え、それにより美容への関心が高まった」と続けた。
こうした変化についてハヤカワさんは、美容は性別を問わず、自分自身のために取り組むものになりつつあるとした上で、「第一印象を少しでも良くしたいという観点から、戦略的に美容を取り入れる人も増えている」と指摘する。
仕事においても、服装や髪型と同じように、肌やヒゲを整えることが自身の印象を左右する要素の一つになっている。男性美容の広がりは、単なる美意識の高まりだけではなく、自分をどう見せるかというセルフマネジメントの一環としても捉えられるようになっているのかもしれない。
文・写真:古田島大介
編集:bizSPA!編集部