なんと鼻に綿を詰めるように

　気のせいかもしれませんが、半日も一緒にいると、陽介さんの体にAさんの口臭がこびりついたような感覚に陥ったんだとか。

「正直、思い込みのような気もするんですけど、『1度彼女におじさん臭いよ』と言われてからというもの、会社で着る服は私服と別のところに収納して、毎日消臭剤をかけるようになりました」

　仕事は楽しく順調ながら、上司たちのにおいに翻弄されてしまっている陽介さん。最近では、頭を切り替えてさまざまな対策を行うようになったとか。

「Aさんと一緒の時は、口呼吸をしたり、鼻に綿を詰めたりとその場だけでも嗅がない工夫を始めました。部署替えや会社をやめることは考えていないので、とりあえず夏にプロジェクトが終わるまで何とかやり過ごすことを毎日考えています」

　やむを得ず思いついたという陽介さんの涙ぐましい対抗策。この先、Aさんとのコンビが解消されることを陰ながら祈りたいところです。それにしても立場が上の人に対して「口がクサイですよ」とは、はっきり言いにくいものでしょうから、自分がもし同じ立場だったら……とつい考えてしまいました。

＜TEXT／高橋マナブ　イラスト／zzz（ズズズ）@zzz_illust＞

―特集・激臭！スメハラエピソード―