店選びに文句ばかりの友人にイラッ

　あるとき、大学時代の友人たちと久々に飲み会を開くことになり、神田さんが店探しを担当することになりました。メンバーにはもちろんMさんも含まれおり、「店について文句を言われるのでは」と心配していた神田さん。その予想は見事に的中することとなるのです。

「店選びの途中で候補の店を教えたらめちゃくちゃ文句言われて、もちろん口コミがいまいちだからって理由ですよ。じゃあ自分で探せって言っても仕事が忙しいとか言うのでだんだんイライラしてきてしまって」

　結局、神田さんはMさんの言葉を無視して、候補として教えていた店を予約しました。予約した後もMさんからグチグチと評価が低いことにについて言われ、神田さんは嫌な気持ちのまま飲み会当日を迎えることとなるのです。

自分で訪れてみて確かめて

　口コミ評価が良くないとMさんが言い続けていた店は、実際に訪れてみるととても雰囲気がよく、料理も美味しい、店員の態度も良いという素晴らしいところでした。そして、そこを選んだ神田さんを、友人たちはとても褒めてくれたといいます。

「Mは終始バツが悪いといった感じで、あまり店のことについての会話には入ってきませんでした。このときに俺はMにある言葉をかけようと心に決めていたんです。それで、飲み会が終わってから早速、LINEを送りました」

　神田さんはMさんに「自分で確かめないとわからない」、そして「口コミばかりに気を取られていると視野が狭くなる」という内容のLINEで今までの反撃をしたのです。するとMさんは少し気まずそうに納得してくれました。

　それ以降、Mさんが口うるさく口コミのことを言ってくることはなくなり、口コミ信者になる以前のような会話も次第にできるようになってきました。この件で、何かひとつだけを信じてほかを見なくなると損をするかもしれないのだと、神田さんは改めて感じたそうです。

＜TEXT／つる＞