まるで面接のようだった顔合わせ

　父親は銀行員、母親は良家の箱入り娘だった、という彼女の両親。相当厳しいと聞いていたため、顔合わせの席は、とても緊張したそうです。

「事前に彼女から『とにかく真面目に見えるように気を付けてほしい』と言われ、挙げ句の果てに下手を打つと破談になるかも……と脅されていました。顔合わせはまるで面接を受けているようで、死ぬほど緊張しましたね。過去の交際人数まで聞かれて、本当のことを言ったらアウトだと思い、『彼女で2人目です』と嘘をつきました」

　顔合わせも無事に済み、とうとう結婚と相なった森崎さん。結婚式を開くことになったのですが、ここでも細心の注意を払う必要があったといいます。

「友人や会社の同僚たちには、絶対に過去遊んでいた話はするなと釘をさしたんです。スピーチを頼んだ上司にも、その手の話はしないよう、念押しした上でスピーチの内容を考えてもらいました」

泥酔上司が大暴走して…

「穴はない」と確信していた森崎さん。結婚式は滞りなく進み、これならうまくいくと思っていた矢先のこと……。

「上司がスピーチを行うために、マイクに向かったんですが、見るからに危険な状況。足元はおぼつかなくてフラフラしていて、明らかに泥酔していました」

　その上司は、この時が初の結婚式のスピーチ。少しでも緊張をほぐそうと、大量にお酒を飲んでいたそうです。

「優秀な部下だと褒めてくれた後、もうひと盛り上がりがほしくなってしまったのか『彼が優秀なのは仕事だけではないんです』と台本にないエピソードをぶちこんだんです。嫌な予感がすると思った時には『森崎くんは女性にもモテるんです』って言い出していました。

『ナンパをすれば、高確率でお持ち帰りに成功』『会社に浮気された彼女が乗り込んできたこともありました』と、まるで仕事の武勇伝を語るような口調で、過去の黒歴史を暴露してしまったんです」