地元の川に飛び込もうと自殺を考えた

　投資の営業話を持ち掛けた友人は消息不明に。けいさんが責任を取り、約400万円の負債を肩代わりすることになった。さらに誕生した子どもが亡くなり、後に離婚することに。人生のどん底に落ち、自殺を考えたとか。

「地元の川に飛び込もうと思いました。川の上でコンバースを脱いで、背負っていたリュックを降ろしたとき、野鳥観察をしているおじさんが僕の行動を見て察して、説得してくれました。おじさんと話して思いとどまったあと、近くのお店で生姜焼きを食べたんです。そしたら涙が止まらなくて……。プライドも過去の栄光もすべてゼロにして、人生をやり直そうと決めました」

　地元にいると、きっと甘えてしまう。故郷を離れ、歌舞伎町のホストクラブで働くことを決めた。

ホストという仕事に本気で取り組んだ

　※画像はイメージ

　名前を変え、過去の活動を隠し、23歳でホストクラブ「ACQUA」に入店する。元人気YouTuberというのは、店長にも最近伝えたという。けいさんはホスト未経験ながら、入店してわずか1か月で指名本数が100本を記録する。

「逃げずに本気で仕事に向き合うと決めていました。だから毎日出勤し、先輩のヘルプについたら、話し方や立ち振る舞いなど全部を盗むように。そして自分のお客さんの前で、見よう見まねで真似しました。

　加えて、昼間から寝る前の朝10時まで、ずっとお客さんとLINEをしました。睡眠時間も削り、当時は2時間くらいしか寝ていませんでしたね」

　入店して1か月経つころには、先輩ホストに「もう教えることはない」と言われるほどに。2か月目も指名数が100本を超え、役職もついた。けいさんは接客だけでなく、周囲への接し方も徹底している。