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日本の「詰め込み教育」は、ある意味正しい。仕事で成果を出す思考術

学び

連載・現役コンサルタントのシンプル仕事術

 こんにちは、Shinです。元戦略コンサルタントで、現在は某外資系企業で業務改善や戦略策定などに取り組んでいます。今日のテーマは「“詰め込み = チュートリアル”という理解で、仕事の見え方が変わる」です。

ビジネス 思考

※画像はイメージです(以下、同じ)

日本の「詰め込み教育」は正しい?

 日本の教育は「詰め込み教育」だと言われます。豊かな発想力を育てるような教育ではなく、覚えても意味のないような情報をとにかく詰め込まれていき、画一的な人材ばかり生まれていく。そのような批判がなされることも多いですよね。

 ぼく自身、日本の教育が最高に良いとは考えていません。

 とはいえ、一方で日本人の識字率や数的能力は世界でも有数であることも事実なのです。確かに全世界的にぐんぐん伸びていくような企業は日本にはあまり見られませんが、平均的な能力という観点でいうと、日本人は高い部類に入るのです。

 そして、それを支えているのは、諸悪の根源として叩かれがちな「詰め込み教育」だと、ぼくは思っています。

「詰め込み」で成果を出せる範囲は限定的

小学校

 もちろん、「詰め込みだけでうまくいく」が通用する世界は非常に限られています。

 当てはまるのは「出題範囲が明確に決まっている」「すでにわかりやすく網羅的なマニュアルがある」という2つの世界です。なので、資格試験や受験勉強は詰め込みでごり押すだけでも成果が出るのです。

 しかし、その他の世界では、詰め込みだけでうまくいくことはありません。日々の仕事やスポーツ、人間関係の構築などには当てはまりませんね。これらの世界で向き合う必要があるのは、資格試験や受験勉強のような静的な問題ではありません。

 日々刻々と変わる状況や「人間」という不可思議な意思決定をしまくるオブジェクトに対して、最適な解を迅速に打ち返し続けることが必要になります。「出題範囲が明確に決まっている」どころの話ではありません。

 また、これらの世界には「わかりやすく網羅的なマニュアル」もありません。もちろん、基礎的な部分をカバーするためのテキストや講座はありますが、それだけで結果がガンガン出るようになることはありません。本屋さんに行くと「仕事がうまくいく」「人間関係を改善する」関係の本が山のように積んであることがその証左になりますね。

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