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大量の仕事をこなすだけの人が見落としているビジネススキルの高め方

学び

連載・現役コンサルタントのシンプル仕事術

 こんにちは、Shinです。元戦略コンサルタントで、現在は某外資系企業で業務改善や戦略策定などに取り組んでいます。今日のテーマは「“量か質か?”で悩むあなたに伝えたいこと」です。

考えるビジネスマン

※画像はイメージです(以下、同じ)

「まず量をこなすべき! 大量にこなしてこそ質も上がっていく」という派閥と「いやいや、無駄なことをたくさんやっても意味はない。量は少なくてもいいから、質の高い仕事をしよう」という派閥がありますよね。あなたはどっちのほうが正しいと思いますか?

「量でぶち抜く派」だった自分

 ちなみに、ぼくは「量でぶち抜く派」でした。朝は早く出社して、夜も遅くまで頑張って、とにかく量をこなそうと一生懸命でした。たくさん量をこなせば、いつか自分の実力に跳ね返ってくると信じて……。ただ、残念ながら、量をこなしてなんとかしようとしていたときに、自分の実力はあまり上がりませんでした。定期評価も下から数えたほうが早かったです。

 今から考えると、この「量でぶち抜く」というのはあまりいいやり方ではないと反省しています。1時間あたりの生産量が0.1しか出せない実力で100時間頑張ったとしても、最終的な成果は10にしかなりません。

 1時間あたり5の生産量の人が2時間やるのと同じだけの成果しか出せないのです。人間に与えられた時間は平等ということもあり、このような圧倒的な差があるときに「量だけで何とかする」というのは非現実的なのです。

量あっての“実力”であることは間違いない

ブロック 努力

 ただ「量をこなさなくていいのか?」というと、それも違います。仕事でもスポーツでもいいですが、成果を残す人のほとんどはビックリするほどの練習や経験を重ねています。いくら天性の才能があったとしても、まったく練習無しで頂点に上り詰める人はほぼゼロなのではないでしょうか。彼らは明らかに量をこなしているのです。

 量をこなしていたのに実力がつかなかった僕と、量をこなしてどんどん実力をつけていくすごい人たち。いったいどこに差があったのか、みなさんも考えてみてください。

 ぼくは、「最初にしっかりした型を叩き込んでいたかどうか」が明暗の分かれ目だったと考えています。実力をぐんぐん伸ばす人のそばには、かならず名コーチがいます。野球を例に挙げると、イチローには仰木監督、マー君や古田にはノムさん、松井には長嶋監督、などなど。彼ら名選手は、名監督や名コーチから徹底的に“型”を学び、その型をベースに圧倒的な練習量をこなし、着実に実力をつけていったのでしょう。

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