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“2兆円企業”日本電産が抱える後継者問題の危うさ。73歳の新社長まで登場

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「私のほうが馬力がある」。CEO就任の際に発した言葉もむなしく、永守重信会長の後継と目された関潤氏は日本電産を去ることとなりました。2兆円近い売上規模を誇る大企業は、またも後継者問題に揺れることとなります。

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日本電産のロゴ Nidec Corporation logo  ©Viewimage | Dreamstime.com

後継者問題の解決を阻むのは…

 2020年4月に日産自動車から招へいされた関氏は、2021年6月に永守氏からCEOの座を譲り受けましたが、2022年4月にCOOに降格。そして9月にCOOを退任します。後任は小部博志副会長(当時)で9月3日に就任しました。小部氏は創業期から日本電産を支えてきましたが、年齢はすでに73歳。永守氏も78歳で早い段階での後継者選びが必須の状況となりました。

 永守氏は関氏をCEOからCOOへと降格したことについて、業績悪化を原因に挙げていますが、本質は別のところにあります。永守氏は関氏を「子分どころか社員にもなっていなかった」と評しました(9月2日のオンライン記者会見)。

 これは自らが築き上げたヒエラルキー型の組織体制から抜けきらず、権限移譲ができない典型的な中小企業の姿です。永守氏の考え方や信条が、後継者問題の解決を阻む1番の問題です。

原価率の上昇は資源高の影響か

原油急騰

画像はイメージです(以下同じ)

 まずは日本電産の業績から見てみましょう。本当に悪化しているのでしょうか。2022年3月期の売上高は前期比18.5%増の1兆9182億円、営業利益は同7.2%増の1715億円でした。売上高、営業利益ともに過去最高です

 永守氏は営業利益率15%を1つの基準にしています。2022年3月期は8.9%で、2021年3月期から1ポイント落としました。確かに、永守氏の満足できるものではなかったに違いありません。永守流の日本電産はマイクロマネジメントを徹底することで有名。永守氏は関氏にそれが欠けていることを批判しました

 しかし、2022年3月期の販管費率は8.0%。2021年3月期の8.6%から0.6ポイント下がっています。上がっているのは原価率で、2022年3月期は79.0%でした。2021年3月期の77.3%から1.7ポイント上がっています。

 この原価率の上昇は、資源高の影響とみて間違いないでしょう。原油価格は2021年3月から2022年3月まででおよそ2倍に上昇しています。銅の価格も1年で1.4倍上がっています。関氏の力不足というよりは、製造業を取り巻く環境の変化というのが正しいでしょう。

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