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平均年収860万円「完全栄養食ベンチャー」上場以来“株価軟調”が続くワケ

ビジネス

 健康食品「BASE FOOD」を販売するベースフード株式会社の株価が冴えません。公募価格は800円でしたが、2022年11月15日の上場時の初値は710円。公募価格を下回りました。

 その後も株価は下がり続けました。2023年1月19日には一時318円の安値をつけ、2月に入って400円台後半まで回復しましたが、公募価格には遠く及びません。

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画像はベースフード株式会社公式サイトより

ベースフード、赤字上場は珍しくない

 ベースフードは東大卒で元DeNA社員の橋本舜が2016年に創業。株価が軟調な理由は単純で、上場時に企業価値を高く評価しすぎたことが関係しています。むしろ、株価は今の水準が適正だと言えるかもしれません

 同社は2023年2月期第3四半期の売上高が71億9400万円、通期の売上高を102億300万円と予想しています。利益は出ておらず、今期は8億7100万円の営業損失を見込んでいます。ベースフードのようなベンチャー企業が赤字上場するのは珍しくなく、会計システムのフリーも赤字でした。

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EC売上画像※決算説明資料より

 健康食品を扱っていますが、小売店への依存度が低く、売上高のおよそ8割をECが占めています。しかもサブスクリプション型のビジネスモデルを採用しているため、キャッシュフローが安定しているという特徴があります

広告費がキャッシュフローを圧迫

 上場前の2022年2月期の売上高は55億4500万円で、2023年2月期が予想通りに着地をすると、売上高は1.8倍に伸びることになります。短期的な成長力は強いのですが、中期的に業績を拡大できるかどうかは疑問の余地があります

 まず2023年2月期3QのEC売上は2Qを下回りました。最も太い販売チャネルであるEC経由の売上が伸び悩むと、同社は拡大余地を失います。しかも、ベースフードは3Qの広告宣伝費に6億5000万円以上の広告宣伝費を投じており、これまでで最も金額が高くなりました。

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広告宣伝費※決算説明資料より

 広告効果が出づらくなっているようで、売上高に対する広告費の割合は現在20%台後半で推移しています。しばらくはIPOで調達した20億円程度の資金で広告費を賄うことができますが、2年ほど経過すると、資金は枯渇してキャッシュフローも圧迫しかねません

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