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アマゾン本社も導入、“日本式の経営”が今も注目されている理由

ビジネス

 昨今、世間では「日本企業の経営は遅れている」という話が飛び交い、書店には「世界標準の経営」についての書籍が山積みされている。しかし実は、世界では逆に「日本式の経営」に注目が集まり続けているという。

 この日本式経営(終身雇用・年功序列・企業内労働組合といういわゆる「日本的経営」とは異なる)についての研究で、東京大学創設以来140年超の歴史で最初の経営学博士を授与され、現在は慶應義塾大学商学部専任講師を務める岩尾俊兵氏@iwaoshumpei)は『日本“式”経営の逆襲』(日本経済新聞出版)を上梓。

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画像はイメージです(以下同じ)

 今回の記事では、岩尾氏に「日本式の経営がなぜ注目されてるのか」語ってもらった(以下、岩尾氏の寄稿)。

「経営成績」の視点から見ればボロ負けだが…

 日本国内では、現在、日本の経営に対して悲観的な見方が支配的です。その大きな原因は、日本企業がアメリカや中国の企業に時価総額でボロ負けしていることでしょう

 しかし、ここで注意が必要なのは、日本企業の時価総額という「経営成績」がアメリカ企業にボロ負けしても、それが日本企業の「経営技術」がボロ負けしていることにはならないという点です。

 多くの方が「世界の時価総額ランキング」のようなものを一度は見たことがあると思います。今では時価総額20兆円のトヨタ1社がかろうじて世界トップ50位にギリギリ入れるかどうかという状態です。

 国内自動車産業2位のホンダの時価総額は6兆円ほどでランキング圏外です。これに対して、Googleの親会社アルファベットやアマゾンなどは100兆円を超えています。

 日本企業の売上額自体は今でも健闘していて、たとえばトヨタの売上はGoogle親会社アルファベットの1.5~2倍近くあるのですが、売上の成長率に圧倒的な差があり、それが時価総額の差につながっています。時価総額という「経営成績」の視点から見れば、バブル崩壊以降つづく経済低迷期において、日本企業は総じてアメリカ企業にボロ負けだといえるでしょう

アマゾン本社には日本語を基にした部署が

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 一方で日本企業の「経営技術」に関しては世界中から注目が集まっています。

 たとえばアマゾンの創業者で、いまとなっては世界一の大富豪でもあるジェフ・ベゾスは、アマゾン米国本社に日本語の「改善」という名前を付けた「カイゼンプログラム」の本部を設置しています

 多くの人にとって、おなじみのECサイトやクラウドサーバのAWSなどのアマゾンのサービスは、大規模なシステムトラブルが少なく、仮に一部でトラブルがあっても復旧が素早いという感覚があるかもしれません。

 実はこれも「アンドン、行燈」という日本発の経営技術を応用した結果です。ジェフ・ベゾスは今でも株主総会等で日本企業から学び続けていると公言しています。

日本“式”経営の逆襲

日本“式”経営の逆襲

コンセプト化・パッケージ化が弱かったのは日本企業だけではなく、筆者含めた研究者や、日本政府も同様である。ようするに日本の産官学全体の問題であった。この点も、現状で思いつく限りの処方箋らしきものを本書において探索していく

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