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24時間営業のジムが増え続ける理由。実は消費者心理を巧みに利用していた

ビジネス

 街中には「どうしてあのお店は成り立っているんだろう?」とか「なぜあのお店だけ変な内装なんだろう?」といったビジネスに関する疑問があちこちにころがっている。たとえば渋谷の天津甘栗屋はなぜ超一等地に出店できるんだろう? という具合である。こうした不思議の数々を気になってネットで調べたことがあるという方も多いだろう。

スポーツジム

※画像はイメージです(以下同じ)

 しかし、世にあふれる「気になる経営」の解説はほとんどすべてが不十分だ。本当に気になる経営の疑問を解決するには「なぜあの会社は~なのか?」式の疑問を考え続けている「経営学」の力を借りる必要がある。そう、気になる経営は経営学を学ぶ絶好の事例なのである。題して「“気になる経営”学」である。

24時間営業のジムはいつも空いている?

 新型コロナウイルス感染症の流行によってジム業界は苦境に立たされている。エニタイムフィットネスやJOYFIT24など街中にあふれる「24時間営業のスポーツジム」も例外ではない。ゴールドジムの米国本社が倒産したというニュースが世間を駆け巡ったのも記憶に新しいところだ。

 なお実際には米国のゴールドジム(GGI Holdings)は米国倒産法11章という日本でいう会社更生法を適用した状態であり、いわゆる「清算(米国倒産法7章)」ではない。日本でいう破産法は後者の米国倒産法7章に相当するので注意が必要である。

 また、米国ゴールドジムのメインの商売はフランチャイズの看板貸しであり、今回の再生手続きはこのフランチャイズ事業には影響しないと米国ゴールドジム本社は発表している。

 一方で、新型コロナの影響が出る前から、24時間営業のジムの窓際にあるランニングマシンやエアロバイクを見てみると、不思議なことにいつ見ても人がいるようには思えない。それなのになぜ潰れないのだろう? という疑問を持たれた方も多いのではないだろうか。

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