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職場で「なぜか会話が盛り上がる人」が意識している会話術

学び

 こんにちは、コンサルティング会社から始まり、8回の転職を経て、現在は老舗の会社で経営者をしております出口知史です。

 これまで私は経営者として業績を一度も落としたことがないという結果を残しながら、さまざまな人間模様を目撃してきました。なかには、意識の高い若手ビジネスマンに人気の“ホリエモン”のような、一握りの天才というのも存在しました。

会話するビジネスマン

※画像はイメージです(以下同じ)

 一方で、私も含めた数多くは、能力的にはそんなに違いはない、ごく普通のサラリーマン(あるいは経営者)です。本連載では私が日々の経験を通じて得た教訓を、多くの“普通の会社員”に向けて伝えていきたいと思います。

 私自身も働き始めてからずっと悩んでいますが、「気の利いた話ができない」ことで悩む若手は多いと思います。今回はそんな人におすすめしたい「話し方のテクニック」を紹介します。

本当は奥深くて、とっつきやすい「たとえ話」

 それは何かにつけて「たとえ話」を使うことです。「それって、◯◯のようなものですか?」だけでは芸がないですが、少しひねりを加えて、「それって、**が◯◯をするようなものですよね?(~だから簡単だ・難しいなどと続く)」と言うと、もっともらしくなります。

 また、単純にモノや人でたとえるよりも、大げさなことやありえないことを、動きを加えて表現することで、少し場の空気を和らげたり、緊張感を共有したりできます。たとえば、

「家でお母さんが風呂の水の量を必死に節約している横で、父さんがパチンコで、スッてて大酒飲んで帰ってくるようなものですよ(一見、くだらなくとも本質的に大きな問題の温度感を共有できる)」
「Aさん(昭和型の足で稼ぐ営業マン)に分析のデスクワークをやらせるようなものですよ(果たしてどんな能力が必要なんだろうか? と確認を促す)」

 などと使います。ただし、その場にいない人のちょっと変わった挙動、人格否定につながりかねないような話は「その人が極悪人」という全員の共通認識があったとしても、止めたほうがよいでしょう。このテクニックは楽しい空気を作るのが目的なので、そこを意識してください。

タイミングを計って「呼び水」を出そう

和やかな会議(ビジネスイメージ)

 また、たとえ話は、オチをつけることが望ましいので、あまり堅苦しい場面で使うのもNGです。とはいえ、仕事で空気を読むのは「言うが易し、行うは難し」です。まずは、「今からする話は、そこまで真剣な話ではなく、雰囲気を和ませて議論・会話を弾ませるための呼び水です」という雰囲気を出すことを考えましょう。

 簡単なのは、「ほんと、すごいですねー!」「ほんと、ひどいですね!」などです。文字で書いてしまうと、ボキャブラリーが乏しい人のように見えてしまいますが、会話の中で使っている分にはその場を和ませて、とても良く作用します。理由をちゃんとつけるとなお良いでしょう。「~なんて、ホントすごいですね!」といった具合です。

 そして即、言いたいことを伝える態勢に入ります。話題になったことについて、身近で起きた具体的な例えか、社内の内輪ネタを引き合いに出して、話してみます。職場の場合、内輪ネタがもっともウケを取りやすいので、マヌケな例でも、良い例でも構いません。

 過去に有名な成功事例がある会社だったらば、「~のときに状況が似てると思うんですよ」といった具合に使います。ただし、具体的な対案もないのに、失敗事例を持ち出して「また、◯◯みたいに失敗するのでは?」と話してしまうんは、ただの評論家気質の人に見られてしまうので、気をつけてください(そもそも、そういった発言は空気を悪くするだけで何も生まれません)。

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