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君はホリエモンになれない!ムダな会議に出ることにも意味はある

学び

 こんにちは、経営者を仕事としております出口知史です。

 私は新卒から8度の転職をし、最も短い在籍期間の会社はわずか1年足らずという、日本社会においては少し珍しい働き方をしてきました。現在は株式会社SONOKOという、添加物や人工油脂を一切使わない、体に優しい特徴のある健康食品、および化粧品の製造販売会社およびグループ会社の代表をしております。

出口知史

出口知史さん

 これまで私は経営者として業績を一度も落としたことがないという結果を残しながら、さまざまな人間模様を目撃してきました。なかには、意識の高い若手ビジネスマンに人気の“ホリエモン”のような、一握りの天才というのも存在しました。

 一方で、私も含めた数多くは、能力的にはそんなに違いはない、ごく普通のサラリーマン(あるいは経営者)です。本連載では私が日々の経験を通じて得た教訓を、多くの“普通の会社員”に向けて伝えていきたいと思います。

会社員人生の縮図とも言える「会議」

会議

※画像はイメージ(以下同じ)

 先日、20代の会社員からこんな愚痴を聞きました。

「上司から『現場の意見を取り入れたい』と言われ、部長クラスの会議に参加したら、特に意見も求められなかった。で、気を利かせて発言しようとしたら、その上司から『口を出すな』と邪魔扱いされてしまった。何が悪かったのか?」

 世の中の会議の大半は意味がないもの……というのは極端ですが、本音で話せば5分で終わる話を1時間かけて議論し、結論を出したり、出さなかったりするのが会議というものです。

 例えば会議の場では「誰もそんなの面倒くさいからやりたくないよ」という本音を「現状を注視する」というもっともらしい言葉にするために何時間もかけて、婉曲的かつ、角が立たないように議論が行われます。

 先ほどの若手社員の疑問にあった上司の「現場の意見を取り入れたい」というのは建前で、本音は、若手を参加させることで「会社全体のコンセンサスを取った」ふうに見せたかっただけかもしれません。

 とはいえ、それは悪意があるからではなく、あくまでも組織・集団として円滑に日々を過ごすための大事な配慮なのです。

会議は終わってからが本番

 そんなとき、もし私がホリエモンやイケイケのベンチャー経営者だったら「そんな会議は参加するだけムダ。一刻も早く別の時間に回せ」と言うかもしれません。

 しかし現実はそこまで甘くありません。あなたはホリエモンではなく、“ごく普通のサラリーマン”です。そんなあなたに、私が勧めるのは、その時間は「会社への所得税だと思って過ごす」方法です。時間を無駄にできず風邪も引けない自営業者と異なり、それでも給料というお金を貰えていることを忘れてはいけません。

 がっかりしましたか? でも、その代わり、その無駄な会議の時間は、あなた次第で、今後に生かすことも殺すこともできるのです。

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