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“超二流”のビジネスマンは「恥をかくことを恐れない」

学び

ホリエモンになれない、君が「本当に食える」能力の磨き方

 こんにちは、コンサルティング会社から始まり8回の転職を経て、現在は老舗の会社で経営者をしている出口知史と申します。

 これまで私は経営者として業績を一度も落としたことがないという結果を残しながら、さまざまな人間模様を目撃してきました。なかには、意識の高い若手ビジネスマンに人気のホリエモンのような、一握りの天才というのも存在しました。

ビジネス 失敗

※画像はイメージです(以下同じ)

 一方で、私も含めた数多くの人間は、能力的にはそんなに違いはない、ごく普通のサラリーマン(あるいは経営者)です。本連載では私が日々の経験を通じて得た教訓を、多くの“普通の会社員”に向けて伝えていきたいと思います。

 今回は実行力についてです。とはいえ、「若者は失敗を恐れずにチャレンジすべきだ」なんてことは、言われ飽きているでしょうから、まずはチャレンジするための考え方から述べていきたいと思います。

失敗経験はなぜ必要か?

 未知の領域に挑もうとすると、その方法や成功・失敗について、多くの仮説が立ち、あなたはそれに対して、いろいろな確認をするでしょう。しかし、つまるところわかるのは、それが他人が主役だった時の情報です。

 つまり、他人が成功したことを、あなたが成功・失敗するかなんて、実際にやってみないとわかりません。あなたが社会人になったばかりなら、20年ほどの人生の歩みに比べて、あなたの目の前には新しい試みばかりが広がっています。

 新しいことをやろうとしたとき、大事なのは、フットワーク軽く動けるかどうかです。やるべきことだとわかっていても、なかなか行動に移せないのが人間です。そうした腰の重さは、失敗経験の量によって、大きく異なっていきます。当たり前ですが、失敗も、恥もあまりない大人は腰が重いです。

「恥ずかしい自分を見られたくない」という防衛機制の心理は、誰もが持っていますが、放っておいても勝手に緩和されず、どんどん強くなっていくものです。何か失敗をしても、その時の恥ずかしさは、あっという間に慣れてしまいます。若いうちに失敗をしておかないと、歳を取ってしまい、どんどん失敗できなくなってしまいます。

 失敗のメリットは、一瞬の恥を味わえば、なにがしかの情報と反省が早く得られることです。目の前で誰かが間違っていたら、ふつうは正しいことを教えてもらえる、直してもらえるものです。なかには知らんぷりする人もいますが、気にしないようにしましょう。

大切なことは、どう恥をかくか

ビジネス チェック

 大事なことは、何かに取り組んで失敗したときに、いったん気持ちを落ち着かせて、詳しい人に正しく質問し、きちんと意見をやり取りできるかということです。

 意識すべきは、自分の行動の理由について、なるべく感情を抜いて、自分なりの事実をベースに説明することです。会話のなかで疑問に思ったことに、自分はこういう事実を経験したり、聞いたり、見たりして考えたが、どこで間違えたのでしょうか? という聞き方をすることです。

「こんな質問したら恥ずかしい」「マヌケだと思われるのではないか」と思ってしまうかもしれませんが、同じ失敗を繰り返さなければ、質問自体がその人の評価を貶めることは滅多にありません。もし、そんなカルチャーの組織であれば、機会を見て辞めたほうが良いでしょう。

 小さいことでも失敗すればするほど、得るものも多くなっていきます。慎重に様子を見ていると、機会をどんどん逃し、建設的な発想ができなくなっていってしまいます。いわゆる批評家的な発想や態度を取ることで得られる、表面的な心地よさから抜け出せなくなり、言い訳や他人のあら探しに夢中になり、成長できなくなってしまいます。

 嫌なことや自分に向いていないことをするときも、屁理屈を言って抵抗するより、とっとと取り組むことで次の機会に進むことができます。

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