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大量閉店から復活した「ミスタードーナツ」。消費者を味方につけた“仕掛け”とは

ビジネス

退店によって1店舗の稼ぎは1.4倍へ

ミスタードーナツ

ミスタードーナツ売上高※決算説明資料より

 ミスタードーナツの店舗数は2021年3月期にかけて減少を続けましたが、売上高はコロナ直前の2020年3月期から増加に転じます

 つまり、店舗を削減したことによって1店舗当たりが稼ぐ売上高が増加したのです。1店舗当たりの売上高の推移を見ると、2017年3月期を底に反転しているのがわかります。

 2017年3月期は1店舗当たりの売上高が6850万円。2022年3月期は9490万円へと1.4倍に跳ね上がっています。収益性を大幅に改善しました。

他とは違う「共同開発」の商品

ミスタードーナツ

1店舗売上高※決算説明資料より筆者作成

 ミスタードーナツが不採算店の閉鎖によって収益性を高めたことは間違いありませんが、集客に対するテコ入れを図ったタイミングがあります。それが、1店舗当たりの売上高が上昇基調となった2018年3月期。「misdo meets」という他社との共同開発商品を取り入れたのです

 飲食チェーンにおいて共同開発というと、人気店の〇〇シェフ監修といったものが主流。このような場合、店舗にある材料を使い、オペレーションに支障の出ない範囲でシェフが監修し、新商品を開発するケースがほとんどです。人気店の名前が出るので消費者の目を引きますが、商品のベースがこれまでと変わらないため、味や見た目は既存商品と大差ないことが少なくありません。

 しかし、ミスタードーナツは共同開発する会社が提供する材料、レシピを活用して商品開発を行いました。第1弾となったのが、京都にある宇治茶専門店「祇園辻利」と共同開発した抹茶スイーツプレミアムでした。その後も、人気チーズケーキBAKEや、ベルギー王室御用達ブランドWittamerなどと共同開発した商品を次々と販売します。

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