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20歳女子大生が“清掃・産廃業者”になったワケ。異色のガテン系起業の裏のこだわり

ビジネス

 清掃、産業廃棄、解体などを行うeagerise(イーガライズ)合同会社の代表を務める泉谷のどかさん(25歳)は20歳の時に起業し、現在5期目を迎えている。

泉谷のどかさん

泉谷のどかさん

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 現場仕事と学業をしっかり両立し、早い段階で周囲の信頼を獲得し、今では従業員を10数名を雇用する。バリバリの男社会のなか、強い意志で自らの道を切り開いた泉谷さんは、起業を考える前は「公務員になる」目標を抱いていたという。

リーマンショックの影響で公務員を目指す

「公務員を目指そうと思ったのは、私が小学校6年生だった2008年のことでした。当時は、『リーマンショック』などによる不景気が続いていたこともありましたし、会社の資金繰りが悪化して『民事再生』を申請したり、クレジットカードの返済に追われる大人たちの様子を見てしまったんですよ。なので『将来は、絶対にお金で悩みたくないな……公務員になって、とにかく安定した生活を手にしたい』と強く思って……」

 その後、「公務員になるため」に大学へと進学。目標の実現に向けて、堅実に歩んでいった泉谷さんだったが、19歳の時に転機が訪れる。

「経済的な事情もあって、私は夜間部の大学に通っていました。入学から1年くらいは、授業の合間にカフェでアルバイトをしたり、大学生らしい日々を過ごしていたのですが、その一方で、昼間は社会人として働いたり、会社を経営しながら学校に通うクラスメートの様子が目に入ってきて……。『このままだと乗り遅れてしまうのではないか』という危機感が、日に日に強くなっていきました」

なぜガテン系を選んだのか

泉谷のどかさん

20歳の時に起業し、現在は5期目

「もっと成長できる環境に身を置き、自分の可能性を広げたい」と考えた泉谷さんは「1年以内に起業すること」を決意。学生生活の傍ら着々と準備を進め、2016年10月、eagerise合同会社を設立し、経営者としてのキャリアをスタートさせた

 社長になった泉谷さんが選んだのは、清掃、緑地管理業。いわゆる“ガテン系”。20歳の女子大生には縁遠く、ハードルも高いように感じられる。「異色の選択」に至った背景には、彼女ならではのこだわりが垣間見える。

起業するにあたっては、同世代のライバルが少なく、需要が安定している職種を選びたかったんです。そんな想いを抱えながら、さまざまな事業を検討している時に思い浮かんだのが清掃業でした。高校生の時に、知人の業務を手伝った経験があったことも大きかったですね。もしこの時の出会いがなかったら、まったく別の仕事を選んで起業していたと思いますよ」

迷いは捨てるな 20歳で起業した現場女子の「したい」を「する」に変えるノート術

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大学在学中の20歳で起業した著者は、男性も尻込みするような現場仕事をしながら大学や資格の勉強、経営を両立。数年で従業員10数名の企業に育て上げました。本書では著者の目標設定の考え方、さらにそこから行動に踏み出すコツを伝えます。

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