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東京メトロとNTTが協業。混雑緩和は期待できるのか

ビジネス

 2019年7月29日16時、東京都千代田区で東京メトロとNTTが協業に合意する共同記者会見が行なわれた。これにより、鉄道システムの改善、東京の魅力と活力の共創などを図ることで、安全や快適性の向上を図る。

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東京メトロの山村明義社長(左)とNTTの澤田純社長(右)

東京メトロとNTTの協業、3つのテーマ

 2019年7月29日の記者会見で、両社が掲げた協業のテーマは下記の通り。

① インフラの安全・安定性の向上-状態基準保全(CBM:Condition Based Maintenance)-

② 移動の円滑性向上-交通需要マネジメント(TDM:Transportation Demand management)-

③ 東京の魅力・活力の共創-Mobility連携-

 東京メトロの山村明義社長によると「鉄道のメンテナンスは、定期的な検査や設備更新を基本とした時間基準保全、いわゆるTBM(Time Based Maintenance)を基本として、メンテナンスを行なっている」という。しかし、TBMを基本としたメンテナンスには課題がある。

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東京メトロは銀座線、丸ノ内線を除き、他社線との相互直通運転を行なう

 まず、同一設備であっても、使用状況により使用頻度や設置環境が異なるため、偶発的な故障、急激な環境変化による設備故障の発生が予期しづらいこと。2つ目に、設備種別により、画一的に修繕、更新計画を策定している場合があり、実力としての設備寿命から乖離(かいり)した時期に修繕、更新を行なっている可能性がある点。

 3つ目に、設備故障が発生した場合、対応に当たる現地社員の経験、知識及び判断力に頼らざるを得ない状況があり、的確な判断を支援する材料が乏しい点。最後に、レールや架線など重要設備の故障は、1度発生すると長時間にわたる輸送障害に及ぶことが多いことだ。

 これらを解決するため、東京メトロは、最新のセンシング、IoT技術、AI、ビッグデーター分析、シミュレーション技術を活用したCBMの技術開発に着手した。

東京メトロがCBM導入。安全・安定性の向上に

 東京メトロでは、長年にわたり培ってきた鉄道保守の現場経験、鉄道システムに関する知見をベースに、センシング、IoT技術を活用することで、稼動状態で診断可能なデーターを高頻度に取得してきた。

 また、AI、ビッグデーター分析、シミュレーション技術を活用することで、故障対応支援、故障予知、寿命予測、保全効率化を図っており、メンテナンスの最適化をすることで、さらなる安定・安全性の向上を実現させてゆこうとしている。

 一方、NTTでは、インフラの安定、安全性の向上を図るため、デジタルデータ化する取り組みが行なわれ、これにより遠隔監視、遠隔制御、保全品質の向上を図る。

 澤田純社長によると「これらはほかの業界にも活用できると考えており、実際、電力事業者の変電所管理に提供する動きになっている」という。今後、東京メトロにも提供することで、インフラの安定、安全性の向上を図るそうだ。