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生理用ナプキンで大成功「5億人の女性」を救ったインド人の感動実話

ビジネス

 いつどこで人生が変わってしまうかは誰にもわからないものですが、多くの人が狙っているのは一発逆転のビジネスチャンス。きっかけは思いがけないところに転がっているものの、それに気づくかどうかが運命の分かれ道とも言えるところです。

パットマン

 そこで今回は、あるひとりの男性が巻き起こした“奇跡の実話”を映画化した話題作『パッドマン 5億人の女性を救った男』をご紹介します。

 美しい妻ガヤトリと仲睦まじい新婚生活を送っていたのは、インドの小さな工房に働くラクシュミ。幸せいっぱいの日々ではあったものの、ある日ラクシュミは妻が生理のときに不衛生な古布を使っていたことを知り、衝撃を受けます。

男性が初めて知る女性の生理の実態

 妻の身体を心配したラクシュミは、生理用ナプキンを妻のために購入。しかし、あまりに高額なため、妻は使用することを拒否してしまうのです。そこで、ラクシュミが思いついたのは、手作りナプキンの製作。しかし、その行動によって町に波紋を広げてしまうことに……。

 本作は、アルナーチャラム・ムルガナンダム氏というインドに実在する社会企業家のエピソードをもとに描かれている作品ですが、タイトルからもわかるように、「男性が妻のために生理用ナプキンを作ったら、結果的に世界で5億人の女性を救うことになった」というウソのようなホントの話。

 男性にとっては、おそらく生涯使うことのない商品だけにどうやって開発したのかという疑問も湧いてしまうところですが、ときに奇想天外な方法を駆使しながら、少しずつ形にしていく姿は、本作でも見どころのひとつでもあります。

 学校も中退し、決して裕福とはいえない暮らしを強いられるなか、お金よりもアイディアだけで乗り越えていく様子はまさに痛快。「資金がないから、新しいことにチャレンジできない」と嘆いている人にとっては、それもただの言い訳にすぎないと感じるはずです。

驚くべき生理用ナプキンの値段とは?

パットマン

 とはいえ、「たかがナプキンで人助け?」と思う人も多いと思いますが、かつてのインドでは生理用ナプキンの普及率はたったの12%。その理由としては、とにかくナプキンが高価で買えないということが挙げられます。

 どのくらいかというと、インドではコーヒー1杯39円、ランチやディナーといった外食の平均が93円であるのに対して、20個入りがなんと217円。日本のナプキンの価格がよくわからないという男性でも、日本の物価に当てはめて考えてみれば、かなりの高額であることがわかります。

 女性の多い家族であれば毎月の家計にとっても大きな打撃になりますし、生理を“穢れ”とする偏見も根強いため、ガヤトリのようにボロ布を代用せざるを得ない状況に追い込まれてしまうのですが、それが原因で病気になってしまう女性がいることがインドでも問題となっていたのだとか。

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