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2児を残して夫が殉職。それでも私が“生きる力”を取り戻し、起業できたワケ

暮らし

リストラで自分が子どもに見せたい姿を問い直す

育児

 少しずつ生きる力を取り戻していくと、今度は父親、母親どちらの役割も果たしたいという思いが強くなりました。平日は仕事、土日は子どもたちが頑張っていた水泳の送迎や応援と、肩に力が入っていたし、子どもたちもそれに応えようとしていたと思います。

 ところが再び価値観が大きく変わる出来事が起こりました。勤めていた会社で大規模なリストラが行われることになったのです

 私は夫の死後、経済社会に参加する姿を見せたいという思いもあって、仕事を続けてきました。でも、上司や同僚が次々とリストラされていく姿を見て、「私が子どもに見せたいのは、どんな姿なんだろう。安定して働く姿なのだろうか」と考えるようになったのです。

 翌年には東日本大震災もあり、色々なことを考える中で気づいたのは、子どもたちには夢や目標を叶える人生を送ってほしいということ。では、私はどんな姿を見せられるだろう? と考えても、何も思い浮かびません。

反対されたからこそ、会社を辞めようと思った

 それでも自分が情熱を燃やせるものは何か考えていくうちに、たどりついたのが絵本でした。10年以上、小学校で毎週、絵本の読み聞かせのボランティアを続けていましたし、子どもの癇癪やおねしょなどに悩む友人に、「こんな絵本がいいよ」とおすすめすることが好きでした。そして、私自身が子どもたちに続けてきた読み聞かせをメソッド化して伝えることを仕事にしていきたいと思ったのです。

 そう思い始めてからも3年近くは退職する勇気が出ませんでしたが、2つの出来事に背中を押されて会社を辞めると決めました

 1つは会社のトップが変わったことによって、社員たちが変化していくのを目の当たりにし、1人のエネルギーが周囲の人を動かしていく姿に力づけられたことです。そしてもうひとつは、まわりの人に反対されたことでした。

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