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2児を残して夫が殉職。それでも私が“生きる力”を取り戻し、起業できたワケ

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好きなことを仕事にするために親ができること

シングルマザー

 2017年には協会を設立し、その後、わずか4年で4万人近い方に講座を受講していただくまでになりました

 私が伝えている読み聞かせのメソッドの中に「ゆっくり読まなくていい」「声色を変えない」というものがあります。これは私自身が読み聞かせに1日10分しか時間を取れない中で試し、子どもは集中し、楽しんでくれることを確信したことから生まれたものです。

 ところがここ数年、「エビデンスは?」「出典を教えてください」とおっしゃるお母さんが多くなりました。「様々な文献や専門家の意見も参考にしていますが、ベースとなっているのは多くのお母さんたちの経験値です」と答えると、「それだったら信じません」と。

絵本を通じて幸福度の高い日本をつくる

 でも、そんなふうに親が「うまくいくか分からないことには手をつけない」という姿勢だったら、子どもも挑戦しなくなってしまうのではないでしょうか。講座では子どもの脳の成長と発達なども謳っていますが、一番伝えたいのはお母さん自身の肯定感が上がり、親子が幸せになるための方法だということです

 特に絵本の読み聞かせをしたことがない、忙しくてできないという人でも負担なく読めて、習慣にできることを大切にしているからこそ生まれたメソッドなのです。

 今、「何がやりたいかわからない」という子どもも増えていますが、さまざまな起業家の方とお話して気づくのは、自分の好きが仕事になっている人がとても多いということです。私自身、絵本の読み聞かせをしていくうちに、長男は冒険もの、次男は図鑑や迷路というように、好きなこと、興味があることがよく分かるようになりました。そんな子供たちは社会人、大学生になった今、自分の夢に向かって充実した毎日を送っています。

 好きなことを仕事にできれば、幸福度も上がるはずです。絵本を通じて幸福度の高い日本をつくること。その大きな目標に向かって、これからも挑戦する姿、行動する姿を見せていきたいと思っています。

<TEXT/「絵本未来創造機構」代表理事 仲宗根敦子>

一般財団法人「絵本未来創造機構」代表理事。大手航空会社に勤務中、長男が2歳、次男が0歳のときに、警察官だった夫が殉職。子どもの変化と自身の精神安定のために、いかに絵本が良いかを実感。2017年に協会設立。現在は超党派議員、民間有識者で構成される「教育立国推進協議会」にも参画。著書に『子どもの脳と心がぐんぐん育つ 絵本の読み方 選び方』(パイ インターナショナル)

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