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2児を残して夫が殉職。それでも私が“生きる力”を取り戻し、起業できたワケ

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まわりに反対されても起業に至った理由

仲宗根敦子

仲宗根敦子

 当時、長男が中3、次男が小6だったこともあり、「これからお金がかかるのに、辞めたら大変だよ」「ボランティアならともかく、絵本の読み聞かせを仕事にするのは無理」とたくさんの人に言われたのですが、それを聞いてなおさら辞めようと思ったのです。

 家庭でも子どもが何かをやりたいと言った時、親が「何を夢みたいなことを言っているの?」と言ってしまうのは、親自身が夢を諦めたからだと思うのです。だからこそ、夢を叶える姿を子どもたちに見せていきたいと思ったのです。

 すると早速、変化がありました。推薦で進学校への入学が決まっていた長男が「学校を変えたい。本当は中3で興味を持ったラグビーを高校でやってみたかった」と告白してくれました。簡単ではありませんでしたが、先生も「15歳の男の子の決断を応援しないのは、本当の教育じゃない」といって掛け合ってくださり、無事にラグビー部のある高校に入学することができました。

“サラリーマンマインド”から抜け出せない

 一方で22年間勤めた会社を辞めたものの、退職後はいかに自分がサラリーマンのマインドから抜け出せないかを思い知らされました。私自身のやることに価値を感じてお金をいただくことに対する自信が持てず、参加料1000円の講座を開催するのにも躊躇してしまうのです。「何のために会社を辞めたの? こんなのは子どもに見せたい姿じゃない」と葛藤する日々が1年近く続きました。

 その時、助けてくれたのは「絶対にいいメソッドだから成功する」と応援してくれる友人たちでした。行政主催の研修を紹介してくれたり、話をする場を見つけてくれたりする人に支えられ、まずは利益を出すことにとらわれず、良さを伝えていこうと思えるようになりました。

 そして思いついたのが、教育熱心なイメージがあったシンガポールでメソッドを伝えることでした。退職した翌年の2015年、知り合いもいませんでしたが、とにかく行ってみることを決意。「どうせ行くなら」とFacebookの日本人グループに講座の情報を投稿したところ、100人近くが集まったのです。行動すればチャンスへとつながることを実感した出来事でした。

 その後、シンガポールでは30回以上講座を開催し、海外での評価によって翌年には国内でも様々な場所に呼んでいただけるようになっていったのです。

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