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自宅の空きスペースで“プチ家賃収入”!? モノを預かるだけで数千円

コラム

 部屋の一角にあるデッドスペース。

部屋 スペース

※画像はイメージです(以下同じ)

 そんな使うあてもないスペースを活用して、誰かのモノを預かるだけで稼げるサービス「モノオク」が話題となっています。

 仕事やプライベートに忙しいビジネスパーソンにとって、ちょっとした間にモノを預けるのはもちろん、副業としても活かせそうなこのサービス。

 どんな人たちが使っていて、セキュリティなどにどのような工夫がなされているのか。モノオク株式会社のCEO・阿部祐一さん(27歳)にお話を伺いました。

友人のモノを預かったことがきっかけ

monooq

【阿部祐一】モノオク株式会社CEO

――はじめに、サービス立ち上げまでの経緯をお聞かせください。

阿部祐一(以下、阿部):もともと、2015年の初め頃から民泊サービス「Airbnb」経由で、外国人観光客向けに自宅を貸していたんです。ちょうど時期を同じくして、たまたま知り合いから「ちょっと荷物を預かってもらえない?」と相談されて。

 そのときに「人が気軽にモノを預けられる場所って意外とないのでは?」とひらめいたんですよね。当時はスーツケースが2、3個入るくらいのデッドスペースを活用していました。

――その後、2015年4月に会社を設立されていますね。立ち上げ当初はいろいろと試行錯誤されましたか?

阿部:会社を設立する前に、実験段階としていわゆる“御用聞き系”の「ジモティ」などで、空いたスペースの情報を掲載して「使いませんか?」と提案していたんですよ。

 するとすぐに「内見したいです」「お願いしたいです」という声が寄せられるようになって、当時は1か月で3000~5000円程の金額を設定していたのですが、問い合わせが殺到したことから確実に需要があるんだとわかりました。

「モノオク」で借りる人、貸す人はどう出会う?

monooqtop

「モノオク」トップページ https://monooq.com/

――現在、提供しているサービスの流れや特徴を教えてください。

阿部:まず、モノを預けたいユーザーと、モノを預けるスペースを提供するホストに分かれるのが特徴のひとつですね。何かを預けたい方は、トップページから地名などを検索すればお気に入りのスペースを見つけられます。

 サービス内でメッセージを交換し、荷物の大きさや間取りなどを調整して、料金を支払えば互いのマッチングが完了します。

――実際にモノを預ける場合、どれくらいの期間でみなさん利用されているんですか?

阿部:成約数がまだ少なく統計は取れていないのですが、過去の傾向としては大きく2つに分けられます。1つは、数か月~半年程度が多いなという印象ですね。目的は、引っ越しやリフォーム、海外転勤などで一時的に利用される方が少なくありません。

 もうひとつは、それよりも長期間の利用となりますが、一般的なトランクルームの平均利用期間が3年という話もあり、将来的にそのくらいに落ち着くのではないかと思っています。

提携業者がモノを運んでくれるサービスも

配送 配達員

――モノをやり取りするとなると、実作業として、どのように預かるか、もしくは預けるかも気になるところですが、そこについてはどのような仕組みとなっていますか?

阿部:荷物そのもののやり取りは、ユーザー同士で直接行われる場合もあれば、提携している配送業者の「PickGo」を経由する場合もあります。個人同士の場合には、荷物が少なかったり小さい場合には、タクシーなどでそのまま運搬される方もいますね。

――もうひとつ、やはり気になるのは料金についてですが、相場はあるのでしょうか?

阿部:現状を説明するとまず、ホスト側が任意に設定できるものの、下限が3000円で上限は設けていません。金額にバラつきがあるため一概に傾向というと難しいです。

 ただ、だいたいの相場でいうと1畳あたりで7000円程度ですね。決済方法もみなさん気になるところではあると思いますが、支払いについては原則的に運営側で仲介しています。

――破損や紛失については、何か対策はあるのでしょうか?

阿部:三井住友海上と協力して、全ての荷物に「受託者賠償責任保険」をかけています。現状では、最大10万円(免責金額3000円)までという形で補償しています。

 今のところ適用されたケースはありませんが、立ち上げ当初からユーザーが安心感を得られるようにと継続しているサービスですね。ただ、補償の対象外になるケースもあるため、利用される場合には規約にも十分注意して欲しいと思います。

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