渡辺徹、安心するナレーションの裏側とは「仕事はクリエイティブ」
“子供向け”に考えるのをやめた
「スタジオに来ている子供はゲームしか興味ないから、ワイワイガヤガヤするばっかりで、人の話を全然聞いてないし笑いも起きない。もはや学級崩壊ならぬスタジオ崩壊っていう(笑)。
子供は、大人側がバラエティとして狙ったような事情は関係ないんだね。そこで番組が始まって3か月経った時に、衣替えとして色々新しいことを試したけど、またダメで。それでもうこちらはもうお手上げで、“子供向け”に考えるのをやめよう、と。
そういうわけで、俺が勝手な話をやりだしたら、途端に子供が聞き出すんですよ。で、芸人さんたちも子供用のネタじゃなくて、なかなかの際どいネタとかやると、わ〜って笑うんです」
相手と「同じ目線」で喋る言葉
子供相手に丁々発止でやり合う姿は、「名司会」と話題になった。
「つまり、子供の目線に“降りて”あげていると、大人が“敢えて”やってるってことで、しらけるというか、興味を示さないんだなと。そうじゃなくて、大人がなんか面白そうなことやっているっていうほうが、子供が興味を持つということが分かった。勝手にやって反応があった時に、そうか、俺は子供を大事にしてなかったんだなと。
大人が小手先でわかったふりして、子供に『はい、こういうのが面白いでしょ』なんてやっても、子供は興味を示さない。それよりも、正直にこっちが面白がっていることを見せたほうがいいっていうことが、あの番組ですごい勉強になったんだよね」