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日本政府のコロナ経済対策は『風雲!あそう城』。こんなクソゲーは今すぐ止めよう<ダースレイダー>

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ハーバード大学「外出制限は2022年まで続く」

ダースレイダー:これを収録しているのは4月23日ですけど、5月6日が近づいている中で、結局「接触8割減」は実現できていないという話が出てきている。実現できていないなら、どうなるのか。そうやって大きい意味での目標を設定しないまま、2週間という細かい期間で「ここまで行けば大丈夫」というのを設定され、それをいくらクリアしても延々と同じ面が現れるみたいなゲームに迷い込んでしまった感覚があります。

 逆に言うと、ハーバード大学の研究チームが最近出した研究では、外出制限などの対策は2022年まで続ける必要があると(米科学誌「サイエンス」4月14日)。ただ、自粛の期間が2022年の5月6日までになったところで「それまで頑張ろう、批判するな」という言説が説得力を持つかというと、これは大変厳しいと思います。

 ドイツのメルケル首相は数年かかることを前提に、3月時点で「下手したら全ドイツ国民の6~7割は感染してしまうかもしれない」と言っている。最悪のゴールを設定したうえで、そこから逆算し、こういったことをやらなければいけないという説明をしています。

 日本の場合は「この2週間が瀬戸際です」と言って直近の目標設定だけして、その先どこにたどり着くのかという地図が明示されていない。それにもかかわらず、2021年の7月の終わりにはオリンピック・パラリンピックをやりますというゴール設定はある。つまり、そのときには当然収束していないといけない。

 ちなみにコロナをめぐる事態の収束というのは日本国内の感染者数にかかわらず、世界中のあらゆる場所で収束していなければ、どこからウイルスがやってくるかわからない事態になってしまいます。

「五輪開催」にゴールを置く根拠は?

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ダースレイダー:日本国内やオリパラに参加するさまざまな国でコロナが落ち着いていたとしても、みんなが集まることによってまた感染が拡大してしまうかもしれない。そう言った意味ではオリンピックを2021年にやるには、それまでにあらゆる国でコロナをめぐる問題が解決していて、コロナに罹ったとしても騒ぐことがないという状態になっているということが必要。これが今のところの日本政府の唯一の大局的な目標だと思います。これが正しいのかどうか。

 さっき言った、ハーバード大学の2022年だったり、メルケル首相の数年かかるであったり。この数年というのは多くの国のリーダーが前提として語っていることです。なぜそう言っているかというと、現段階ではさまざまな治験があって、さまざまな薬への研究開発はされているが、有効なワクチンは出来ていないからです。

 ワクチンが出来たとして、抗体検査にも時間がかかる。例えばインフルエンザの場合は抗体ができても、1年間でそれはなくなっちゃうので、またかかる可能性がある。またかかる可能性があるレベルの抗体しかできないのか? 日本政府はこういったデータがいまだにない状況で、2021年の7月までに全部が終わるという目標設定がなぜできたのか。そこにゴールを置くという根拠は何か。その説明もまだなされていない。

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