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理不尽なクレームに直面したら「会話のペース」を意識しよう

学び

 仕事中に大きなストレスを生む要因のひとつに「怒っている人の相手をすること」があります。自分のミスで上司から叱責されるのは致し方ないですが、状況によっては自分とは無関係のことで怒られて、やるせない気持ちを抱くこともあるのではないでしょうか。

うなだれる人

※画像はイメージです。(以下同じ)

 働き方改革コンサルティングなどを手掛ける株式会社ビジネスウォリアーズ代表取締役、相原秀哉氏が「感情が昂っている相手の対処法」を解説します(以下、相原氏寄稿)。

社会人には「理不尽」がつきもの

 お客様からの自社商品に対するクレームや店舗スタッフの対応へのクレーム、営業マンによるメール誤送信へのクレームなどに加え、他部署との協業案件において自部門のメンバーが他部門の部長に失礼な態度を取ったことで「監督不行き届きだ」と注意を受けるなど……。

 激高した相手にきつく責め立てられたり、時には激しく罵られたりすることなど、社内外を問わずそのようなシチュエーションに追い込まれてしまうようなストレスフルな経験をした人もいると思います。

 自分以外のミスで怒られれば「悪いのは自分ではないのに、なぜ自分が怒られなければならないのか」と納得できなかったり、たとえ自分のミスが原因であったとしても「自分が悪いのはわかるけれど、そこまで激高しなくてもよくないか?」と、過剰な叱責に苛立ちを感じたりするものです。

 そこで、「一刻も早くこの不快な状況から逃れたい」とか「言われっぱなしは癪だから、相手の話の矛盾点を探って逆に論破してやる」などと思ってしまう気持ちはわかります。

付け焼刃の対応は「悪手」

上司 説教

 しかし、その気持ちをあからさまに見せてしまうと確実に事態の悪化を招くことになるでしょう。例えば「早くこの状況から逃れたい」という気持ちから焦って早口で何度も謝ってしまうと、相手には「自分の話をしっかり聞こうとせず、その場逃れの謝罪をしている」と感じ取られてしまい、却って火に油を注ぐことになるでしょう。

 また、相手の言動に腹が立って、マシンガンのように早口で反論してしまうと、元々怒っている相手をさらに激高させてしまい、互いに感情の昂りがエスカレートして収集が付かなくなり、場合によっては相手との関係性が修復不可能なところまで悪化してしまう恐れがあります。

 それでは逆に相手の怒りのボルテージをものともせずに、物凄い早さでまくし立てられている間にも冷静沈着に、ゆっくりした口調で対応したらどうでしょうか。

 これは一見効果がありそうに思えますが、相手からすると「私がこれほど迷惑を被ったと言っているのに、なぜこれほど落ち着き払っていられるのか。怒りが伝わっていないのではないか」と感じるでしょう。先に挙げた2つよりはマシでしょうが、こちらの対応も事態の収拾には役立ちません。

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