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飛行機でコーヒーを注文したらコーラが出てきた?英語を正しく発音する

コラム

「飛行機でコーヒーを頼んだのになぜかコーラがきてしまった」。笑い話のようですが、英語学習の現場では有名なエピソードです。

 私自身も2年前に日本からデンマークのコペンハーゲンに行く便で、後ろの席の日本人が「アイスコーヒー、コーヒー」と言っているのにフライトアテンダントからコーラを渡された場面を目撃しました。

コーラ

※画像はイメージです(以下同じ)

 コーヒー(coffee)とコーラ(coke)の日本語での発音は、全く異なるものですが、なぜ英語だと間違って伝わってしまうのでしょうか? ここには発音にまつわる秘密があったのです。

appleとaboutの発音の違い

 まず、日本語と英語は全く違います。たとえば日本語で、“あいうえお”としたら「あ」は「あ」と、「い」は「い」と発音します。それ以外の発音はありません(「は」を「わ」と読んだり、「え」を「へ」と読んだりする例外はあります)。つまり文字と発音が一致している言語なのです。

 ところが英語は文字と発音が一致していない言語です。例えばaは、「ア」のほかに「エイ(ei)」という発音があります。リンゴのapple(アップル)と、食べるの過去形のate(エイト)は、同じaですが、異なる発音です。そして最も理解しにくいのは、それに該当する日本語がないということです。

 appleと、「~について」の意味であるaboutは、別の発音です。日本語でそれを表す文字がないので説明が難しいですが、apple のaはガチョウの鳴き声の「ガァ、ガァ」みたく「ア」と「エ」を同時に言うイメージで発音します。

 それに対してaboutのaは「ア」を短く低く言うイメージです。リラックスして、舌の最も高い位置が舌の真ん中にくるようにします。文字上は変わらないため、日本人には違いがわかりませんが、発音記号としてはappleは/æ/、aboutは/ə/と表記します。

 そして、この発音記号はネイティブの人は基本、知りません。発音記号自体を覚える必要はないのです。

そもそも学校で英語の発音を教えていない

 日本の学校で行われる英語教育では、読み方が分からなくて、ひらがなで発音を書くケースも多いと聞きます。日本語でそれを表す方法がないため、仕方ないことかもしれません。しかし、なかにはアルファベットの読み方、アルファベットの発音の仕方(フォニックス)すら教えていないケースもあります。

 フォニックスとは、英語において、綴り字と発音との間に存在する規則性を明示し、正しい読み方の学習を容易にする方法のひとつです。

英語

フォニックスの一覧表

 これはある意味、学校の英語教育が危機的なことを示唆しています。日本の英語教育は日本語のあいうえおや、漢字の読み方にあたる英会話の基礎を教えていないのです。

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