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「内定辞退させない!」と採用担当から鬼LINE。就活を棒に振った学生の嘆き

コラム

最終面接で落ちた…執拗な連絡にうんざり

 Sさんはこのようなやりとり何度か続けたうち、最終面接に挑むが落ちてしまう。

「面接が終わった直後にリクルーターから連絡がきて、『ここで落ちて悔しくないの? もう一回受けようよ』と再面接を促されました。正直なところ、選考でのやりとりに疑問を感じ始めていましたが、内定先を持っていなかった不安もあって、再面接を受けることにしました」

 しかし、その日を境にリクルーターのLINEが加速したそうで……。

「志望動機を何度も聞いてもらったり、話し方に対するアドバイスをもらうことが多かったです。また、電話を受けるたびに『今日は何をしてたの?』と聞かれ、外出していると『面接が近いのにそんな心構えでいいのか』と注意を受けました。

 最終面接の前日には23時ごろに突然電話がかかってきて、話を聞くと『どうして昨日は電話に出られなかったの? そんな心構えじゃ内定出ないよ』と叱られました。電話に出られなかったのも、約束の時間から2時間ほど遅れて連絡が来たので、都合が合わなかったからなのに……。どうして一方的にとがめられるんだろうと悲しくなりましたね」

内定辞退が受け入れられず、LINEをブロック

新卒SNS

 翌日、Sさんは再面接を通過し、内定をもらったが、煮え切らない気持ちが溜まっていったという。数日後、同じく人材業界に進んだ大学の先輩に一連の話をしたところ、ようやく会社の評判が明らかになったそうだ。

「離職率も3年以内30%以上と、同業界の中ではワーストクラス。新入社員研修では出身大学の後輩に新卒サービスの勧誘を行い、その加入実績でランク分けされるみたいです。配属後も社内では過酷なノルマ戦で怒号が飛び交い、精神的につらくなってやめる社員が続出しているようでした。採用人数が300人近いのもこういった理由からだそうです」

 この話を聞いて、今までのリクルーターの対応も相まって、会社の異常さに気づいたという。ついに内定辞退を決意したSさんだが、説明会から費やした期間は2か月以上。「エージェントにお世話になったことと、再面接を受けさせてもらったことを考えるとなかなか切り出せませんでした」と話す。

「ひとまずリクルーターに内定辞退をしたいと話したところ、『どうして内定辞退するの』『一緒に頑張ったのに』と一方的に感情を押し付けられ。それでも辞退の意思を伝えたら、『社長と直接面談してもらわないと、内定辞退は受け付けない』と連絡があり、怖くなってブロックしてしまいました」

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