M-1決勝初進出のキュウが語る、充実した心境「太田さんは、客を見て漫才しろと」
いまや年末の風物詩的な番組となった漫才頂上決戦『M-1グランプリ』(2022年はABCテレビ・テレビ朝日系にて12月18日生放送)。年々、エンタメ性が高まるとともにエントリー数は増えており、今年はプロ・アマ問わず過去最高の7261組が予選舞台の上に立った。
決勝までストレートで勝ち進むコンビは9組という、もはや運も味方に付けなければならないような今年の大会で、見事初の決勝進出の権利を勝ち取ったのが9年目の「キュウ」。
違和感を覚える言葉をボソッとつぶやく、ぴろさん (@piroguramu)に対し、清水誠さん(@pentachansp)が大きく目を見開き、ゆっくりした口調でツッコむ。文字だと詳細がわかりにくく恐縮だが、“これまでの誰とも違う”印象に残る漫才とだけは伝えられる。
2019年、2020年も準決勝まで進んでいた実力者ふたりに、晴れて決勝に進んだ思いを聞いたところ、「緊張感」はいずこ、自信に満ちた回答が終始返ってきた。
僕らにとって今年が“最短コース”
――まずは初のM-1決勝進出、おめでとうございます。はじめて準決勝に進出した2年前から記事「敗退しても痕跡を残した2組」でキュウの存在を取り上げていたので、より感慨深いものがあります。
清水 誠(以下、清水):ありがとうございます。今回、僕とウエストランドの井口(浩之)さんが最年長で、その分ドラマがあるから、視聴者も「キュウ応援したい」っていう気持ちになってくれるかなと。
ぴろ:まあでも、僕らにとってはこれが“最短コース”なんじゃないですかね。去年はモグライダーさんとか、もっと前から地下でくすぶっている人たちもいましたし。
芸人は上のほうで“詰まっている”
――それにしても毎年エントリー数は増えていって、今年は7200組ほど。どんどんハードル上がっていく中で9組に残るのはすごいことだなと改めて感じます。
ぴろ:知名度も上がって盛り上がっているから、増えるに決まっていますよね。それに芸人って基本的に辞めないので。
清水:ただ、上のほうで“詰まっている”人たちはそんな変わんないのかなっていう気はしています。毎年優勝した1組と、15年経った人ぐらいしか出ていかない。
ぴろ:もうM-1の世界は“人類”みたいになっていますよ。生まれてくる命がどんどん出てきて……。でも、死んでいく命も多いか……。
清水:そこは統計取ってみないとわからないね。