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「M-1グランプリ」敗退しても痕跡を残した2組。アツかった“非吉本勢”

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 5081組がエントリーした漫才コンテスト「M-1グランプリ2020」(ABC・テレビ朝日系)の決勝戦が12月20日に開催され、マヂカルラブリーが16代目チャンピオンに輝いた

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※画像はM1グランプリ公式サイトより

 今年2020年の決勝大会は前回の記事「M-1グランプリ 2020は大激戦か。優勝予想を“元芸人の放送作家”が語る」で事前に展望を予想していた通り、最終票がほぼ均等に割れるという「大激戦」となった。コント漫才の見取り図、歌ネタのおいでやすこが、そしてもはや「マヂカルラブリー」というジャンルとも形容できそうな大立ち回りで客席を賑わせたマヂカルラブリー。

 SNSや各ニュースサイトのコメントを見る限り、「漫才ではない」「面白ければ良い」と賛否が分かれていたが、コロナ禍でネタを磨きづらい環境にある中で、あの晩“最高の笑い”が生まれていたと振り返ることができる。

「敗者復活戦」が今年もネットで紛糾

 最終審査でさまざまな意見が出るのと同様に、ネットで議論されていたのが「敗者復活戦」だった。その理由には、独自の選考方法が関わってくる。

 敗者復活戦は、準決勝敗退となった16組(今年は祇園がコロナ感染のため欠場)がネタを披露し、「視聴者」が審査員となり投票。そこで最も得票数を集めた1組が決勝進出となる。過去には、アンタッチャブル、サンドウィッチマン、オードリーらが敗者復活戦から勝ち上がり決勝をかき回してきた。

 ただ、そうした実力者が選ばれないリスクもはらんでいるのがこのシステムの落とし穴。誰が投票したか知られることはないため、“好き嫌い”、“知名度”という私情で順位変動する可能性も十分に考えられる。事実、今年も「テレビ見てないけど投票した」と、ただファンだからという理由で投票画面をアップするファンも散見された

 もちろん、そこに制約はないものの、フラットな目線で気鋭の漫才師に1票を投じることが、ひいては決勝のレベルアップにもつながっていくはず。顔が見えない投票にその意識を徹底するのは難しいだろうが、そうした意識がもっと高くなってくれることを願うばかりだ。

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