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ビッグエコーに聞く「フードデリバリー進出」の勝算。“おすすめメニュー”にも挑戦

ビジネス

 新型コロナウィルスは経済に大きな打撃を与えた。景気低迷だけではなく、生活様式がガラリと変化したことにより、従来のビジネスモデルの見直しを迫られた企業は少なくない

ビッグエコー

ビッグエコー©yu_photo

 そんな未曾有の事態の中でも、常識に囚われずに臨機応変に対応した企業もある。カラオケルーム・ビッグエコーを展開する株式会社第一興商もそのひとつだ。2021年3月から「Uber Eats」で食べ物をデリバリーする「ビッグエコーデリバリー」(おうちでビッグエコー)を開始している。

 コロナ禍を乗り切るための頼みの綱として、「Uber Eats」での提供を始めた飲食店は多い。ただ、カラオケチェーンであるビッグエコーが参加したのは意表を突かれた感じがある。なぜこのような取り組みを始めたのだろうか。株式会社第一興商でPRを担当する倉内佑氏に話を聞いた(※価格はすべて税込、メニュー代金とは別に、Uber Eatsが定める配達手数料やサービス料が発生)。

デリバリーに抵抗はなかった

 そもそも、「ビッグエコーデリバリー」を開始した理由として、「ビッグエコーもコロナ禍の影響を非常に受けた業態のひとつです」と倉内氏は話す。

「店舗に足を運ぶことが難しくなり、お客様にビッグエコーのメニューを提供できれば、少しでも来店した雰囲気を感じてもらえるのでは、という思いから開始しました。もちろん、『カラオケ店なのにデリバリーサービスを実施する』ということは、多少チャレンジングではありました。

 しかし、コロナの影響で非常に厳しい状況の中、『出を押さえ、入りを増やすことは全て挑戦しよう』という方針のもと、事業部従業員一丸になっていたため、ビッグエコーデリバリーを開始することにさほど抵抗はなかったです」

カラオケ店ならではの強みとは?

カラオケ

画像はイメージです

 当初は社内でも戸惑いの声も少なくなかったようだが、“カラオケ店という強みを最大限に活かすサービス”と前向きな姿勢を持っていたようだ。

「カラオケ店は通常の飲食店より営業時間が長く、飲食メニューが多いです。『この特性を生かすことで、他のデリバリーとの差別化ができるのでは?』と考えました。

 実際、デリバリー業態においては、閉店時間が23時の飲食店舗がほとんどですが、カラオケは深夜営業を行っているため、配達可能時間ギリギリまで営業ができることが強みです。ウーバーイーツには営業時間基準が地域によって異なりますが、その基準を遵守したうえで、店舗でできる最大の時間帯で営業しています」

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